文部科学省が2012年度の全国学力調査の結果を発表しました。今年はちょっとした感想だけを記しておきます。
下記FNNニュースによると、私の住まう大阪府はワースト2位。ランキングに一喜一憂するのは馬鹿げていますが、大阪府がこれだけ連続して下位を記録するのには必然性があると思います。
FNNニュース: 文部科学省、全国の小中学生対象の学力調査結果を発表
時間がないので、その必然性について掘り下げるのはまたの機会としますが、常に上位に位置している都道府県にもこれまた理由があるはず。
その理由はブログに何度か書いてきた通り、「少人数制クラス」に他なりません。人を教えた経験のある方なら、ご納得いただけるかと思うんですが、一斉に多人数を教える場合、どうしても情報伝達・定着に問題が出てきます。
教える側からすると、一人一人に目が届かない上に、集団の規律維持(簡単に言えば静かに集中させるということです)に大きな労力を割かねばならず、教えるべき内容を伝達するという点で、多大なロスが発生します。
また、教わる側からすると、多人数のうちの一人ですから、どうしても集中力を欠きがちになります。言い換えれば、自分と教師のコミュニケーションではなく、他人と教師のコミュニケーションを傍観している感覚に陥りがちなわけです。低学年になればなるほどその傾向は高いと言えるでしょう。
個人的な意見を言わせてもらえば、1クラス40人を対象にして、十全な授業を行うことは、ほとんどの場合不可能だと思います。ベテラン教師が、難度の高い試験をパスして入学してきた精鋭40人に教えるというなら話は別ですが、そんなことは公立小中学校で期待すべくもありません。
いわゆる名門大学と呼ばれるところが、ゼミや研究室という形で少人数制教育を取り入れていることを思い合わせてみれば、いかにこの少人数制というシステムが大切かがお分かりいただけるかと思います。
前回28位から8位へと大きく躍進した茨城県について、上記の記事はこう述べています。
文部科学省の分析では、学力が上位の県には、早くから少人数教育に取り組んでいるという傾向があるという。
また茨城県の教育委員会によると、勉強の内容が難しくなるといわれている小学4年生と5年生は、夏休みに最大5日間、補習授業を行うといった独自の取り組みも行っているという。
少人数クラスと夏休みの補習授業。
茨城県のこうした取り組みが、学力向上につながっているのかもしれない。
(上記FNNニュースより引用)
記事は断言を避けていますが、これ以外に理由はないでしょう。
とすれば、全国で少人数制クラスを導入すればいいじゃないかとお思いかもしれませんが、話はそう簡単ではありません。やはり先立つものは潤沢な予算です。この国の政府は教育事業に投資することに恐ろしく渋いので、少人数制クラスが全国に拡がるということはありえないでしょう。大阪市については下記のような事情すらあります(苦笑)。
良いか悪いかは別として、この国において、教育というもののは、(学費も含めて)全くの自助努力に委ねられていると私は思います。結局のところ、子どもの学力向上を真剣に考えるならば、個々の家庭で、ちゃんとした教育環境を用意してやるなり、補助的な手段を用意してやるなりするしかない。
そういう意味で、当塾は「少人数制」または「個別指導」という指導スタイルを掲げているんですが、その意味をご理解いただけるご家庭には本当に感謝しています。
現在ワースト2位の大阪府ですが、各クラスを10名程度にして、当塾の授業をさせてもらえば、確実に全国1位になるだろうと思います。2位以下を大きく引き離して。別に大口を叩いているわけではありません。少人数制クラスさえ確保できれば、ほとんどの指導者が達成できる目標だと思うのです。
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