人工知能のハルシネーションと推論能力

なかなかブログに割く時間がなくて困っています。授業や雑務に忙しいのはもちろん、読むべき書籍・読みたい書籍が山積み、何やかや勉強したいこともどっさり……って欲張りすぎなだけですけれど。

最近はAI(人工知能)花盛りですよね。私も仕事に関連するような記事や書籍に目を通して、ちょこちょこAI関連をかじってみたりはしているんですが、実用化段階に入ったとは言い難いところです。個人的には。

特にハルシネーションには今まで多いに笑わされてきました。ハルシネーションとは、人工知能に独特の作話というか虚偽情報のことですが、本当にしれっとめちゃくちゃな情報を伝えてきます。1ミリも真実が含まれていないウソをいけしゃあしゃあとまことしやかに。逆にそれが楽しくて、一種のゲームとして遊んでいたぐらいで(笑)。

私「ゆらゆら帝国のベストソングを教えて。」

ChatGPTの回答。

「ゆらゆら帝国」は日本のロックバンドで、彼らの曲はその特異なサウンドと独創的な歌詞で知られています。ベストソングは個人の好みによって異なりますが、人気のある曲の一部をいくつか挙げてみましょう。

「サーフライダー」
ゆらゆら帝国の代表曲の一つであり、アップテンポなビートと独特の歌詞が特徴です。ライブでの盛り上がりも大きいです。

「サーカス団」
ノスタルジックな雰囲気とメロディアスなサウンドが魅力的な曲です。ゆらゆら帝国の代表的なバラードの一つです。

「ノー・ミュージック、ノー・ライフ。」
エレクトロニックなサウンドと奇抜な歌詞が特徴的な曲で、ゆらゆら帝国の個性をよく表しています。

「ピッグ」
ゆらゆら帝国のデビューアルバムに収録されている曲で、ハードなロックサウンドが印象的です。

「アイ・ハブ・ア・メロン」
ゆらゆら帝国の楽曲の中でもユーモア溢れる歌詞とキャッチーなメロディが特徴的な曲です。これらはゆらゆら帝国の中でも人気のある曲の一部ですが、他にも多くの素晴らしい楽曲があります。個々の曲を試聴してみて、自分の好みに合ったベストソングを見つけるのが良いでしょう。

私、「ゆらゆら帝国」の大ファンで全てのアルバムを聴いてきましたが(というか聴き込んできましたが)、1曲も知っている曲がありません。というか、メンバーもこんな曲知らないと思う(笑)。世界のどこにも存在しない曲をどこからひねり出してくるのやら。ほとんど人工「痴能」です。

私「じゃあAJICOのベストソングを教えて。」

ChatGPTの回答。

AJICO(アジコ)は、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのメンバーである後藤正文(ゴトウマサフミ)と鈴木貴雄(スズキタカオ)によるサイドプロジェクトです。彼らの楽曲も多くのファンに支持されています。いくつかの人気のある曲を挙げてみますが、これはあくまで個人の主観に基づいたものです。

「真夏の条件」
アコースティックなギターサウンドと繊細なメロディが印象的な曲で、AJICOの代表曲の一つとされています。

「無常の花」
メランコリックな雰囲気と鈴木貴雄の独特の歌声が魅力的なバラード曲です。

「てるみくらぶ」
エモーショナルな歌詞とダイナミックなサウンドが特徴的な楽曲で、ライブでも盛り上がる人気のある曲です。

「フラッシュバック」
ロック色の強い曲で、力強いギターサウンドとボーカルのアグレッシブな歌唱が印象的です。

「夏の日」
爽やかな夏のイメージを表現した楽曲で、ポップなメロディと前向きな歌詞が特徴です。これらの曲は、AJICOの中でも人気のある楽曲の一部です。彼らの音楽性や歌詞の内容に惹かれる曲を見つけるために、様々な楽曲を聴いてみることをお勧めします。

なんか、もう舐めているとしか思えないですよね。音楽好きな人ならご存知かと思いますが、AJICOは、UA,浅井健一(元BLANKEY JET CITY),TOKIE,椎野恭一のユニット。昨年名古屋で再結成ライブを見ましたが、もう感激の嵐でして……って脱線しすぎなので話を元に戻しますが、アジカンの後藤正文と何の関係があるのか。そして鈴木貴雄に至ってはアジカンじゃなくて、UNISON SQUARE GARDEN のメンバーです。両人ともAJICOと一体何の関係があるというのか……。

「アジ」って部分が共通してるだけやん……。しかもこれまた一つもこの世に存在しない曲を紹介してくるという有り様。


どうしてAIは知らないことを「知らない」と言えないのか。開発者に、「人工知能は全知全能たるべし」という強い思い込みでもあるんでしょうか。

「知らないこと」を「知らない」と明言するのは近代科学の美点というか、近代科学の根本姿勢だと思うんですよね。AIは情報工学の最先端を行っているように見えて、その実、非科学的な部分を許容(それも強烈に)してしまっていると私は思います。

ちょっとはソクラテス「無知の知」の姿勢を見習って欲しい、というか、根本的な哲学(古代西欧哲学とか)からAIはやり直してくれよと思っていたんですが、昨日こんな記事を目にしました。

「LRM(大規模推論モデル)の推論能力に限界」──Appleが論文発表
https://www.itmedia.co.jp/aiplus/articles/2506/09/news077.html

情報工学に疎いので、深く理解したわけではありませんが、う〜ん、やっぱり高度な推論はまだまだ無理っぽいですね。というか、上記のように簡単な「情報調査」レベルですらつまずきまくっているわけですから、根本的かつ高度な推論とか、深い人間理解っていうのはまだ無理なんじゃないかなと思っています。

結局は確率論的モデルの域を脱し得ないということなんでしょうが、それは逆に言えば確率論的思考形態を活かせるジャンルではAIに活躍してもらえるということでもあるでしょう。AIブーム?が落ち着いてきたら、そういう謙抑的な理解・合意に収束していきそうな気がします。

今までの人生経験上、本当に天才的な人って確率論的思考はあんまりしていないような気がするんですよね。だからこそ天才的業績を残せるというか。

あとはこの確率論的思考モデルに人類がどこまで仕事(ひいては未来)を委ねようと考えるか次第ですが、個人的にはあんまり急いで欲しくないところですね。

まあ、当塾はまだまだ「人間的に」生徒さんを見ていこうと考えております。