前回の続きです。
肝心の漢字検定1級(漢検1級)試験問題の解き方ですが、私がとった方法は次の通り。参考になれば。
まず、試験開始後、一問目から最終問題まで一気に解きまくります。解くと言っても、最初から答案用紙に解答を埋めてゆくわけではありません。まずは、問題用紙の余白に解答を書き殴ってゆきます。
乱雑きわまりない字で恥ずかしいんですが、試験本番の問題用紙です。イメージを掴んでもらえれば幸いです。
いきなり答案用紙に書かない理由は次の通り。
1.限界まで知識を詰め込んでいるので、少しでも早く吐き出した方が安全。ついさっき見ていた知識が出題されているかもしれない。
2.解答を清書する際にもう一度正誤を考える機会があるため、ケアレスミスを回避できる。
3.悪筆なので、人より丁寧に解答を書く必要がある(笑)。
論理的思考が必要とされる試験の場合、解答→清書という2段階を取ることは不合理ですが、漢検の場合はそうではありませんしね。
私の場合、大体10~15分程度でとりあえずの解答は終了しました。この時点で合格は確信しましたが、予想通り難化していることにも気づきました。まぁ、合格すればよしとしましょう。
残りの35~40分程度で清書です。ハネやトメで減点されても馬鹿らしいので、丁寧に丁寧に。1級レベルだと、逆にハネやトメといったレベルはさほど厳格に見られていないという説もあります(漢字の本質的な部分ではないため)。が、やはり丁寧に書く方がいいに決まっています。
清書後に少し残った時間は、思い出せなかった部分を必死に思い出す時間です。一問だけですが、この時間で正解に至ることが出来ましたので、再現しておきます。
長文問題の一節。
「……水軍は其の長所なれば、守る者もまた水上を『ユルガ』せにし難く……」
幸田露伴『狂濤艶魂』からの出題です。露伴の文章はやっぱりいいよなぁ、などと思いながら読んでいましたが、『ユルガ』の漢字が浮かんでこない。ありゃりゃ、もう少しで出てきそうなんだけどなぁ。
解答の清書が終わった後、再び問題に向かい合います。
「ゆるがせなり」とは、物事をいい加減にする様子。なんとなく荒っぽいイメージなんだよな。漢字のイメージで言えば「粗」なんかが近いな。しかし、「粗」にはそんな訓読みはないしなぁ。関連のありそうなイメージの熟語を考えてみるか。「粗漏」「粗慢」「粗笨」「粗鄙」「粗疏」「粗忽」……。
これだ!「粗忽」だ!「忽せ」は「ゆるがせ」と読める!
幸運な2点をゲットです。ちなみに「粗忽」は「そこつ」と読み、「軽率で不注意なこと」を意味します。落語が好きな方には「粗忽長屋」でお馴染みでしょう。
そうこうしている内に、試験終了です。
同じ日、息子と夕方からUSJに行く約束をしておりましたので、帰宅後すぐ家族でUSJに出かけました。初めてUSJを体験する息子は大はしゃぎです。しかし、その息子より更にはしゃいでいたのが私だったということは、ここだけのヒミツです(笑)。
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