EXPO1970 EXPO2025

いよいよGW到来。最近は(っていつもですが)雑務に忙殺され、その合間に個人的な勉強もして、という感じでなかなか暇な時間がないんですが、さすがにGW期間は少しばかり時間的余裕ができそうです。

ということで、気になりつつも後回し気味のブログをちょこちょこ更新しようかと思っております。今日は万博について思うことをあれこれと。


当塾の所在する大阪では、現在万博が開催中。市府民一体となって盛り上がっています!なんてことは全く無く、街も人も完全に平常営業です。

開催前に、首都圏では万博に関する気運が全く盛り上がっていないという報道がなされていましたが、安心して下さい。地元大阪でも盛り上がり感はゼロです。少なくとも一般人の間では。

今年の2月ごろだったでしょうか、ニュースで万博の件が報じられておりまして、大阪万博開催って再来年ぐらいだったっけ?と思いながら聞いていると、「再来月の開催に向けて云々」と。ええっ!今年なん!再来月ってマジ?と吃驚したんですが、それはさすがに私が鈍くさいだけですね(笑)。

ただ、周囲で万博に行く予定のある人は皆無。もちろん、前売券を購入した人も皆無。仕事関係で行く人をチラホラ聞くだけです。当塾から万博会場まで直線距離にして13.5kmしかないのに、どこか遠い異国で開催されているイベントのような気すらしてしまいます。

せっかく莫大なコストを支払って実現したイベントなんですから、大阪府民としては盛り上がって欲しいんですが、ここから盛り返せるのかというと……。


かつての万国博覧会(EXPO’70)は、本当に価値のある博覧会だったと思います。日本という国がまだ若く、素直に未来を夢見ることができる時代でしたからね。皆で力を合わせてすてきな未来にしよう!そんなフレーズを臆面もなく語り合える時代。

実は私もEXPO’70には連れていってもらったんですが、物心つく前だったので、全く記憶がありません。父に抱かれた赤ちゃん時代の私を、色あせた写真の中で確認するだけ。

しかし、吹田のEXPO’70パビリオン(往時の万博を振り返ることが出来る記念館です)を訪れると、本当に凄い国家的イベントだったことがよくわかります。先鋭的な建物や当時の最先端技術もさることながら、参加している人達のレベルがめちゃくちゃ高いんですよね。アーティスト、建築家、コーディネーター、官僚などなど、後に大御所的存在となる人達が若き才能を全力でぶつけているんです。

EXPO’70 パビリオン | 万博記念公園


爾来55年。この日本という国もずいぶん歳を取りました(私もですけれど)。人間はもちろん、企業であれ、国であれ、老化を止めることはできないと思いますが、私が気になるのは、その加齢・老化のスピードがちょっと速すぎるんじゃないかということ。この国はこの55年間で、55年どころではない歳を加えてしまったような気がします。

国家的イベントに対して国民が冷めた態度でいられるのは、よく言えば「国家としての成熟」ですが、悪く言えば「国家の老化」。少子高齢化が凄まじい勢いで進む日本社会が、今後若返っていくことは考えにくいことも合わせれば、元気溌剌オロナミンC!みたいな日本はもう遠くにありて思うものに成り果ててしまった気がします(喩えが昭和)。

ただ単に、万博に政治的な思惑が絡んでいたり、跡地活用の方がメイン目的だったりする(ですよね?)ことが、万博の盛り上がらなさにつながっているのであれば、まだ救いがあるように思うんですが、もっと根深い構造的問題である気がします。

この文章、別に結論はありませんが、強いて言えば、令和を生きる子ども達にとって、日本が生きていきやすい国になっていって欲しいと思います。これは子ども達というより、大人の責務ですが。