暮れも押し迫ってきましたが、わが家では大きな事件が起こりました。正確には、息子の通う某中学校で起こった事件なんですけどね。
先日、息子の通う学校から、保護者への連絡メールを受け取りました。大抵の場合、台風による休校や保護者会の案内といった内容なんですが、今回は謝罪のメール。何だろうと思ってよく読んでみると、「本校教員の不祥事について」。
一体誰が何をやらかしたんだろう。息子にメールを見せても心当たりがないとの由。そりゃそうですよね、冬休みに入っていますので。
「県迷惑防止条例違反容疑」との文言がありましたので、だいたい不祥事の内容については想像がつきます。おおかたスマホで盗撮といったところでしょう。くだらないことをする奴だ。
TwitterなどのSNSを検索してみるとあっさり判明。えええ、電車内での痴漢行為で現行犯逮捕って……。県内マスメディアでは報道もされていたので、そちらを読んでみると、何度も同一の女性に痴漢行為を働いており、逮捕当日は警察が張り込んでいたらしい。悪質にも程があるわ!
で、容疑者の名前を見ると、息子が習っている教師の名前が!
はぁ〜〜〜(溜息)。
実はこの(元)教師、かなりクセがあって、わが家でもかなり問題視していた人だったんですよね。
我が息子は、算数や数学が少し不得意なんですが、今年中学に入学して、数学を受けもってもらったのが件の教師。
話は少しそれますが、私も妻も、習っている教師に関して批判めいたことを息子に言うのはタブーだと考えています。息子が幼稚園に通い出してから、様々な先生方に息子を見ていただきましたが、わが家がラッキーだったのか、どなたも立派な方ばかりで、そもそも苦言を呈する必要がなかったんですけどね。
息子が幼稚園から小学校に在籍している間は、いつもこう伝えていました。
「学校の先生方は立派な人で、お前なんかよりずっと偉いんだから、ちゃんと話を聞かないといけないよ」
「先生方は一生懸命教えてくださるんだから、言うことを聞かないといけないよ、話をちゃんと聞いたら絶対に賢くなるよ」
もちろん、子どもはそうするのが道徳的(儒教的?)に正しいというのもありますが、私たちが考えているのはもっと功利的な理由です。
仮に私たち保護者が息子に、「あの先生は頼りない人だ」とか「あの先生は教え方が下手だ」などと伝えたとしましょう。子どもが素直であれば素直であるほど、親の言うことを信じて、教師を軽んじることになりますよね。
そうすると、授業を聞くのがおろそかになったり、勉強に身が入らなくなったりするはずで、学校に行く意味が大きく失われてしまいます。のみならず、そうした児童が増えれば、教師側の授業進行やクラス運営も困難になってくるでしょう。いきおい、真面目に勉強している子供たちの利益も害される。
つまり、教師について悪口めいたことを保護者が子どもに言うことは、百害あって一利無しと思っているわけです。
ただ、上述のように、息子を見てくださった先生方は皆さん立派な方々だったので、私たちとしては特に心配する必要がありませんでした。
仮に、親の目から見て苦言を呈したくなるような教師がいたとしても、多分私たちは息子に批判的な話は聞かせなかっただろうと思います。学校も一つの社会、大人も人間。色々な人がいるのさ、という感じで伝えたかと思います。
もちろん、異常な行動をする教師(例えば理不尽な体罰を加えたり、いじめを放置したり、生徒を差別したりするなど)がいれば、話は別です。この時は親が子どもを守ってやるべきでしょう。ただ、その時も、間に子どもを噛ませるより直接対決するほうが早いわけで(笑)、やっぱり子どもにあれこれ言う必要はない気がします。
とまあ、親としてはそんな感じのポリシーでやってきたわけなんですが、息子の方もさすがに中学生ぐらいになると批判的な精神が芽生えてきます。もちろん、人格的な攻撃はしませんが、「なんかあの先生の教え方分かりにくいなあ」とか、「先生のプリント雑すぎるわ、もうちょっと真面目に見直して欲しいな」といった類いの文句がちょこちょこ出てきます。
それはそれで健全な成長ですので、問題視する必要はないと思います。原則として「ふ〜ん」「そうなんや」みたいに流して、あえて何も言わない。
ところが、息子から伝え聞く、ある数学教師の指導がどうもおかしい。
まず、自分の教えた解法以外で解いていたら試験ではバツにして点を与えないとのたまう。いやいや、数学というのは理の極みなんだよ、理屈が合って正答していたら、どんな解法も許容されないとならないんだ、と息子に力説するんですが、「それは分かるけど、先生がそう言うから、この方法を覚え込まないと」などと言うわけです。しかもその解法が妙にひねった解法なんです。数学の初心者、しかも数学が得意ではない人間にそんな教え方をしてどうする。困ったな。
それから、その数学教師、途中式を書いてはいけないとものたまう。いやいや、途中式は必要なんだよ。計算の間違いを減らすだけではなく、論理的な思考を見せるという目的もあるんだよ、塾で教えていても、途中式を書かない生徒は、みんな見事に学力を落としていくんだから。そう言うんですが、やはり息子は途中式を飛ばすやり方を再現しようとします。そして案の定間違う(笑)。方程式の移項なんてそんな手間じゃないんだから、ちゃんと書かせてやれよ。
あと、とにかく下らない瑣末なこだわりを生徒に押し付けるんですよね。息子が連立方程式の解を、
x=3
y=4
という風に縦に書いて、両者をまとめるために前に { を付けて書いたことがあったんですが、バツを付けられて帰ってきました。息子が不思議がって私に聞くので、確認してみましたが、何の不備もない解答です。「合ってるけどな〜、何があかんのかな?」
息子が教師に聞いてみると、連立方程式の解は、x=3 , y=4 という風に横に書け。縦に書いたらバツだとのこと。訳ワカメ(笑)。
訳ワカメはどんどん増殖しました。理研食品かよ。曰く、「分数の線は定規で引け。定規で引かないとバツにする。国公立大学に行くような人はみなそうしている」とか。もうね……。
ある生徒が業を煮やして、「僕の兄は京大に行ってますけど、兄に聞いたらそんなことする必要がないと言ってました」と彼に伝えたところ、激怒されたらしい。でも、私も君のお兄さんに賛同するよ、うん。
そんな不合理が続いたのみならず、人格的にも問題ありと思うようなエピソードを息子から聞くにつけ、さすがに苦言を呈したくはなったんですが、まだもう少しは我慢しようと、こう伝えていました。
「確かにちょっとエキセントリックな先生だとは思うけど、それでもちゃんと点数をとっている子もいるだろう?ちゃんと数学を理解した上で、先生のクセにそつなく合わせて点数を取る練習だと思って頑張れよ。どうしても困るようなら数学は俺が見てやるよ。」
ただ、妻と二人の場では、「来年は数学担当、他の誰かに代わって欲しいなあ」と話しておりました(笑)。あんまり息子に教える時間も取れませんし……。
そんな話をしていた最中のこの痴漢事件。もう笑止千万。同じ女性につきまとうようにして複数回痴漢行為を繰り返していたなんて、非道極まりないですよね。書くのは少しはばかられますが、報道によると、被害女性の胸を何度も揉んでいたらしい。痴漢って普通女性の臀部を後ろからそっとさわるものじゃないんですか?いや、やったことがないので知らんけど(笑)。
現行犯逮捕で本人も間違いなしと認めているらしく、もう弁解の余地なし。一発で懲戒免職でしょう。還暦を越えてなにをしているのやら。学校もなんでこんな輩を雇うかなあ。
息子が「執行猶予」っていうのになるのん?と聞いてくるので、刑事司法システムについて簡単に説明。逮捕・勾留のシステムとか、刑事裁判・執行猶予のシステムとか。教師が生きた教材になってどうする。
息子に「この先生のこと、どう思う」と論評を求められたので、思わず言ってしまいました。
「控えめに言って、人間のクズだと思うよ(笑)。」
さすがに今回は言わざるを得ないですよね。被害女性の身にもなってみろと。
そんなこんなで、急遽息子の学校では説明会が開かれることになりました。息子は生徒向きの説明会に出席するんですが、冬休みに入っていたため制服をクリーニングに出してしまっていたんですよね。妻が慌ててクリーニング店に電話して、一旦返してもらいに行きました。どこまで迷惑かけるねん。
まあ、一生のうちでもそうそう無いケースだから説明会を愉しんでおいでと、息子には伝えております(笑)。