日本語検定1級合格 #6

<日本語検定への意見>

検定事務局からアンケートの依頼が来ていましたが、個別アンケートに答えたところで、事務局にしか意見は届きません。事務局の方のみならず、受検を考えている一般の方々の目にも触れるよう、このブログで意見を記しておこうと思います。

(一) 今までになかった日本語ネイティブ向きの日本語力試験ということで、大きな意義があると考えます。今までの国語関係の検定試験は「漢字の能力」だけを問うものであったり「文章作成の能力」だけを問うものであったりしましたから。(もちろん、分野別に学力を検定するということが悪いわけではありません。)

(二) 問題の質もかなり良くなってきたように思われます。当初購入した模擬問題集には「これは日本語の問題なのか?」と思われるような問題もチラホラ見られましたが、本試験においてはそうした問題が無くなっていたように思います。

(三) 先述の通り、2級の合格が1級受検の前提となっている(しかも同時受検は不可能)という点には苦言を呈したいところです。「腕に覚えのある」者にとっては、正直まどろっこしくてしようがありませんし、費用もバカになりません。もちろん、始まって日が浅いこともあり、事務局としてもビジネス的側面を無視できないところなんでしょうが、各自の実力に応じた受検級を自由に選ばせて欲しいところです。

(四) 公式問題集の質について。おおむね良質だと思いましたが、領域別問題集の方は、もう少し練ってから出版して欲しいところです。あえて具体的な箇所は指摘しませんが、結構間違いがあります。解答が出せないところも所々に。

(五) あと、無い物ねだりですが、日本語の基礎である古文や漢文に関して全くといってよいほど問われないのが、物足りないところではあります。「(現代の)日本語(に関する)検定」という趣旨でしょうから、やむを得ないところではありますが…。半ば冗談ですが、全編古文・漢文・擬古文に関する問題のみ、というような級(特1級?)の創設が待たれるところです。少なくとも私は喜び勇んで受検します(笑)。

上記のように、色々と思うところはありますが、総じてお薦めできる検定試験だと思います。1級合格者=日本語の達人とは決して思いませんが、少なくとも、日本語の勉強を深めてゆく際の一指標になるとは思います。

この「宮田塾のブログ」では、「日本語検定合格指南」と題して、日本語検定合格に役立つ知識なども取り上げてゆく予定です。原則として、1~2級レベル受検者を対象とした記事になるでしょうが、日本語に興味のある方・3級~6級レベル受検者・受験国語の知識面を充実させたい方などにも役立つようにしたいと思います。