お薦めの作家(明治期-大正期-昭和初期) #1

よく考えてみると、このブログでは、明治期-大正期-昭和初期の小説家をあまり取り上げてきませんでした。個人的には、この時代の作家達に一番親しみを感じます。

お気に入りの作家は何人もいますが、以下の条件を満たすお薦めの作家を考えてみると、結構数が絞られてきます。

1.とにかく文章が上手い。

文章が下手な作家は、読んでいてイライラします。読んでやるもんか(何様?)、と言いたいところですが、古い時代の作家の大部分は文章が上手い。文章の下手な作家は現代に至るまでに淘汰されるんでしょうね。

2.文章を読んでいて楽しい。

いくら文章が上手くても、陰々滅々たる内容だと楽しくない。悲劇的な内容であっても、どこかにユーモアや人間性を感じさせて欲しいですね。

3.文章の勉強になる。

塾ブログということもありますし、少し勉強的な観点を付け加えてみましょう。どうせ読むなら文章の力を付けたいですよね。例えば、芥川龍之介・中島敦などは上記1と2の条件を満たしていますが、あまりに才気走りすぎていて、勉強にはならないと思います。天才の筆を堪能するにとどめておくべきでしょう。

4.作品が入手しやすい。

普通の書店や青空文庫(ネット上の無料書庫)でも手に入るぐらいのメジャーな作家を選んでみましょう。

5.私の波長に合う

私の独断と偏見も盛り込ませてもらいます。波長が合うというのは、いつか全集を手に入れてのんびり読んでみたいと思うような作家、と言い換えてもいいでしょう。

太宰治(初期の作品を除く)はあまりに自意識過剰でべっとりしすぎて苦手。あまり大人向きではないんじゃないか。泉鏡花の作品は駄作ではないけれど、どうも歯車がかみ合いにくい。私の歯車がかみ合い始めた頃には作品が終わる、という感じで楽しめない(笑)。夏目漱石は……って、ちょっと過激になりそうなので、自粛。

上記の様な条件で絞り込んだ作家は、長くなってきたので次稿に回します。