奥琵琶湖は美しい

春到来。やっぱり暖かいのはいいなあ。受験シーズン終了後は、体験授業においで下さる方々の応対に追われ(有り難いことです)、なかなか時間が取れなかったんですが、ようやく自由な時間が少し取れるようになってきました。自由は美しい。

そんなわけで、とある休日の早朝、バイクで散歩してきました。いや、正確には散走というべきか。個人的な感覚で言うと、自宅から往復300〜400kmぐらい迄なら近場の散歩。午前中に帰宅して、家でお昼ご飯という感じの距離です。具体的には、東なら名古屋、西なら岡山あたりでしょうか。たいてい手ぶらで出かけるので、人からは距離感が狂っていると言われています(笑)。

さてさて、当日は久々に琵琶湖方面へ。祖父が滋賀県出身だった関係で、我が家の墓所は滋賀県にあるんですが、これがちょうどいい散歩先。今は亡き祖父・祖母・父がそこにいるとは全く思わないんですが(心の中に生きてくれている)、何となくちょっと出かけて帰ってくるのにちょうどいい距離なんですよね。

我が家の墓所、いつかは私も入ることになると思うんですが、琵琶湖がよく見える場所にありまして、老いを養う、いや、死後を養う(笑)にはなかなか素敵な場所。在郷の人むけの墓地なんですが、祖父が逝去した際に、父が縁故を頼って我が家の墓碑を建てたという次第。

私などは、自分の遺体なんてそこら辺のゴミ箱に捨てておいてくれないかなと思うタイプなんですが、さすがにその言に従うと遺族が死体遺棄罪に問われますから(笑)、これに関しては、大人しく慣習に従おうと思っています。

で、そんな我が家の墓所を少々掃除して、さらに北上。琵琶湖の最北部を奥琵琶湖と呼びますが、このあたりまで来ると、町の造りや道路の様子が北陸文化を反映したものになってきます。それがとてもいいんですよね。落ち着いていて質実で。

奥琵琶湖沿いの道は、私が最も好きな道の一つ。湖水は澄み、木々は輝く。湖面に浮かぶ竹生島を眺めながら走るワインディングロードはどんな道より素晴らしいと思っています。人のまばらな季節に行くのが特にいい。車であれ、バイクであれ、エンジンを止めると聞こえてくるのは小鳥のさえずりだけ。もう何往復でもしたい道です。

琵琶湖もこのあたりまでやってくると、そのスケールは「湖」ではなく「海」の感覚。実際、この辺りに住まう人は琵琶湖を「うみ」と呼ぶことが多いように思います。「近江(あふみ)」の名称は「近つ淡海(ちかつあはうみ=都に近い淡海)」から来ているわけで、感覚的にはもちろん、語源的にも正しい用法だと思っています。

日本の北欧と呼ばれる奥琵琶湖の地(私が呼んだのではありません。作家遠藤周作氏の称です)は、湖と山の織りなす雄大な自然あり、源平合戦や戦国時代にまつわる歴史ありで、琵琶湖をあまり知らない人には特にお勧めです。

(以下の写真、撮影時期はバラバラです)

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そんなこんなで楽しすぎるこの地、ついつい足が伸びて気がつくと福井県の敦賀。そろそろ帰らねば。帰りは高速道路で一気に大阪へ。


昼からはやっぱり自宅で仕事。夕方まで、溜まりに溜まった雑務を処理します。でも、少々自由な時間を過ごしてきたので、鼻歌交じりの上機嫌。

夕食後は息子と近くのカフェへ出かけて、各々読書。私は最近読み始めたギッシングの『ヘンリ・ライクロフトの私記』(岩波文庫版)を読了。とても心に響く文章が多い作品です。訳文がこなれているせいか、早朝の奥琵琶湖の光景とヘンリ・ライクロフトの住まう環境が重なって仕方がありませんでした。またこの作品についてはブログに書いてみようと思います。

帰宅後、息子と入浴。また各々読書して長風呂(我が家では風呂場での読書が推奨されているのです)。風呂から上がり、布団のなかでうだうだとどうでもいい話をしているうちに二人とも眠ってしまっていました。

一年中日曜日だといいなあ(あかんあかん)。