宮武外骨と小野小町と

前回、小野小町の事を書いていて思い出したんですけれど。

宮武外骨という人がいます。明治時代から昭和時代にかけて活躍したジャーナリストというか、文筆家というか、研究家というか、反逆者というか、まあそのいずれでもある人です。とにかくオリジナリティーと反逆精神とバイタリティーに溢れかえった人。

私、昔から外骨のことが大好きでして、大真面目なのかふざけまくっているのか分からないような著作に大いに惹かれてきました。

外骨は絵葉書をコレクションしていたんですが(東大法学部内の「明治新聞雑誌文庫」主任者の仕事として蒐集していた)、これを雑誌にしていたようで、私も雑誌からの抜粋を見たことがあります。

その中に、こんな絵葉書が紹介されていたのを覚えています。

絵葉書の片側には「大馬鹿者!」と墨痕鮮やかに大書されています。何じゃこりゃ。

裏面を見ると切手を貼付する部分に、小野小町と武蔵坊弁慶の小さな絵。日本随一の美女と男の中の男です。はて、この二人がなぜ並んでいるのか。……あっ、そうか!こりゃいい!ふふふ。

皆さん、この絵葉書の意味、お分かりでしょうか。ちょっと塾ブログからするとギリギリのラインなので、手短に。

小野小町も武蔵坊弁慶も、美女・堂々たる美丈夫でありながら、生涯異性と交わったことがなかったという伝説の持ち主なんですね。だから「大馬鹿者!」と(笑)。

この絵葉書のセンス、並々ではありません。ひょっとしたら外骨自身が作った絵葉書なのかもしれません。