7月はほぼ休みなしでやってきましたが、8月に入って、ようやく休みが取れるようになってきました。お盆休みまであと一息。頑張ろう。
そんな感じでなかなかブログに割く時間がないんですが、たまには記事も書かないと。書きたい話は無限にあるんですが、時間が全然ありません。
最近、某興業会社の社風が問題になっていますよね。伏せ字で書いておきましょう。 Y○SHIM○T○興業という会社です。うん、伏せ字ですよ、伏せ字。
会社を通さない直営業とやらは、芸人と会社の間の民事的な関係ですので、私には何の関係もない話なんですが(というかテレビに興味がないので全面的に興味がない話なんですが)、少し気になるのは、MIYASAK○氏(これも伏せ字ですYO!)が関連を持ってしまったとされる「反社」なる存在。
先日、出先のテレビで久々にワイドショーを見てみると、コメンテーターやアナウンサーが「反社」「反社」と連呼しています。いつのまにこんな言葉が誕生・定着したんですか?ちょっとビックリ。
もちろん文脈上、「反社会的組織」または「反社会的組織の成員」という意味で使っているのは分かります。しかし、こんな略語は(少なくとも公的な場では)今までに聞いたことがありません。
「あした、めっちゃ嫌やわ。上水道の施設見学なんて行きたないわ!なんでそんなん行かなあかんのん!」反社会見学、略して「反社」。なんて解釈をする人もいるような……。(いねーよ)
「今回の中間テストは社会がすごく悪かったんだよね。期末までにちゃんと日本史の復習をしておこうっと。」反省して社会の復習、略して「反社」。いや、屁理屈はもういいですね。
日本国語大辞典で「反社」を調べてみましたが、当然登録はありません。「反社会的」は登録があって、こう定義されています。
【反社会的】
〘形動〙 社会の秩序や道徳などから大きく逸脱している様子。
*女房的文学論(1947)〈平野謙〉
「いわゆる『高等遊民』という反社会的な主人公の愛慾を中軸としているにもかかわらず」日本国語大辞典(第2版)より引用
思うに、「反社会的」という語の意味は、本来、「社会」に反するということでしょう。とすれば、「社会」という言葉が多義性を持つ以上、「反社会的」という語もかなり多義的なものになるはず。
ここで着目したいのは、例文の用法です。「高等遊民」すなわち、高等教育を受けているにもかかわらず労働に従事せずプラプラしている人間を「反社会的」と評しています。「高等プー太郎」イコール「反社会的」。
はっきり言えば、「反社会的」という語は、現代社会でいうところの「ニート」的存在まで包摂していたわけですね。
ひるがえって現在の「反社」という語。この略語は、「犯罪によって利益をあげる集団」といった意味に限局されている気がします。より具体的には「暴力団」「半グレ」みたいな集団やその成員。
いつの間にそうなったんでしょうね?言葉というのは生き物ですから、激しく変化していくものですし、それで構わないんですが、「犯罪集団」で十分通じるところに、わざわざ「反社」なんて言葉を作りだすのは、どことなく怪しいムードがあります。
「犯罪集団」だと強すぎる表現になるので、 Y○SHIM○T○興業(もちろん伏せ字です)に忖度して「反社」なんてよく意味の分からない新語をひねり出してきた……なんていうのは、うがち過ぎでしょうかね。
そのうち国語辞典にも「反社」なる語が登録されるかもしれませんが、「『反社会的』に同じ」とは定義しにくい感じがします。
少し前に書いた「卒婚」なんかと似た匂いを感じて、あまり好きになれない言葉ですね……。