宮田塾の考えと2002年センター試験漢文問題

秋真っ盛りですね。

宮田国語塾の方は、受験を控えた方を筆頭に、多くの方々からお問い合わせを頂いているんですが、空席がなかったり、現時点では開講のないクラスだったりで、なかなかご要望に沿えていません。まことに申し訳なく存じています。あくまでも在塾生最優先とさせて頂いておりまして、ご了承いただければと存じます。なお、ご要望の指導内容と、空席あるクラスの指導内容が合致する場合もございますので、お気軽にお電話にてお尋ね下さいませ。また、新規塾生は11月頃から募集をさせていただく予定でございます。

完全少人数制宮田塾の方は、来期2014年度に大規模なリニューアルを予定しています。当然さらに指導の質を高める方向のリニューアルなんですが、今まで以上に広い層(特に私学の方・遠方の方など)にご利用いただけるよう、時間割などを詰めているところです。決定次第、ウェブサイトやこのブログにてお伝えしたいと存じます。


さて、少し古いセンター試験(2002年)漢文問題の授業準備を先程までしていたんですが、この文章、塾に関する話なんです。昔の中国も今の日本も変わらないな、身につまされるな、と思わせられます。

冒頭部分を引用します。ブログで返り点付きの漢文を書くのは大変すぎるので、書き下し文にしておきますね。

家塾ヲ典ルハ其ノ人ヲ難シトス。
厳ナレバ則チ子弟ニ利アルモ久シクスル能ハズ、
狎ルレバ則チ己ニ利アルモ其ノ父兄ノ託ニ負ク。
(周煇『清波雑志』より)

読みは下記の通りです。

「典ル」つかさどる
「難シ」かたし
「則チ」すなわち
「能ハズ」あたわず
「狎ル」なる
「負ク」そむく

少し意訳をしてみましょう。

私塾を営むのは人間関係が難しいのである。

教える者が厳格であれば、成績向上という点で生徒に利益があるが、教え続けるのが難しくなる。

逆に教える者が生徒と馴れ合うと、教える者は楽で儲かるが、成績向上という父兄の信託には背くことになる。

は〜、まさにその通りでございます。昔も今も変わりませんね。

「教え続けるのが難しくなる」というのは、生徒からしたら、厳格すぎると辛いから嫌になって退塾ということになりがち、保護者さんも、子どもにそこまで辛い思いをさせなくとも、もっとイージーなやり方・もっといい塾があるはずだと考えて退塾させるということになりがち、ということですね。

また、志の低い生徒だと易きに流れるので、馴れ合いの安易な授業を喜ぶでしょうが、それで成績が上がるはずもない、ということも言っています。

塾運営、結局はそのバランスと言うことになるんですが、当塾もその辺りには気を使っているつもりです。馴れ合いのイージーな事は絶対にしませんが、スパルタ式に怒鳴り上げて長期的な学力が上がるはずもありません。怒鳴り上げれば短期的には上がるので、それが優れた方法だと勘違いしてしまう人も多いんですが、大事なのは将来の大きな果実ですよね。当塾は、私や副代表のキャラもありますが、どちらかというと諄々と説く方向性でやっています。


別の土地でも校舎を開いて欲しいと言われることがあるんですが、私たちにそのつもりは全くありません。上述の「家塾ヲ典ルハ其ノ人ヲ難シトス」というのは、人材を用意することの難しさでもあると思うからです。但し、色々なご要望に沿うべく、様々な手段を考えているということだけはお伝えしておきたいと思います。