国語塾の日本語レッスン#3

今日は勘違いしやすい語の話です。

「気が置けない」人とはどんな人でしょう?

よくある間違いはこんな感じです。

×あいつは、すきあらばこちらの弱みにつけ込もうとしてくる。気が置けないヤツだ。

こんな風に「気が許せない・油断がならない」といった意味に捉えてしまいやすい言葉ですが、間違いです。

「気が置けない」「気をつかわないでよい・気さくで付き合いやすい」という意味の言葉です。したがって、正しい例文は次のようなものになります。

○ あいつは、小学生時代からの付き合いで、気が置けない友人の一人だ。

覚えにくいと思う方は、反対の表現「気を置く」「気が置ける」という表現を知っておくとよいでしょう。
これは古文にも出てくる表現で、「心を許せない、緊張または遠慮してうちとけることができない」の意味です。

考え方はこうです。

用心しないといけない人が側にいる。
(すきあらば嫌味を言ったり自分の物を奪おうとしたりする人を考えて下さい。)
  ↓
その人に注意を払わねばならない。
  ↓ 言い換えれば
その人にいつも自分の「気」を置かねばならない。

したがって「気を置く」「気が置ける」=「心を許せない・緊張または遠慮してうちとけることができない」ということになるわけです。

まとめです。

「気が置ける」→「気を置かなくてはならない」→「心を許せない・緊張または遠慮してうちとけることができない」

「気が置けない」→「気を置かなくてよい」→「気をつかわないでよい・気さくで付き合いやすい」

気が置けない塾でありたいものです。