国語塾と幼稚園児・低学年小学生

今日は国語塾に関するエントリーです。

幼稚園児や低学年小学生の保護者様から、宮田国語塾の授業についてお問い合わせを受けることがよくあります。

ウェブサイトの方にも記載しておりますが、現時点では中学受験生・大学受験生のみを指導させていただいております(今年は中学受験生のみ)。したがって、幼稚園児や低学年小学生につきましては、授業自体を開講しておりません。

当方に時間や教室の空きがないという物理的な理由も大きいんですが、より大きな理由として、幼児(またはそれに類する年齢の子供)の段階では、受験を意識した国語の勉強をする必要がない、という事があります。

もちろん、国語力は学力の根本をなす部分ですし、小さな頃から涵養していきたい力です。しかし、ちょっと冷静に考えてみて下さい。幼児の頃から本当に「受験」を意識して勉強させてよいのか。

当国語塾は、「受験専門」と銘打ち(何だか偉そうですね(笑))、受験生指導に特化しております。したがって、ご連絡・お問い合わせ下さる保護者様も、「受験・入試」を意識した指導をご希望になっていらっしゃることが多いように感じます。それは悪いことではありませんし、むしろ賢明なことだと考えますが、受験勉強には適した時期があります。

経験上、幼い頃から受験や入試を意識させて勉強させると、逆にこぢんまりとまとまってしまう危険性が高いように思います。幼児教育においては、あまり「目的」を明確化しない方がよい。「○○中学合格!」などと意識させて幼児に勉強させるなんて、愚の骨頂でしょう。

言葉は悪いですが、幼児教育の跡は死屍累々です。先取り先取りで勉強して優位に立ち、自尊心を肥大させてきたのに、いざ小学高学年になってみると、後発隊が一瞬で追い抜いてゆく。残酷極まりないですが、教室が責任を取ってくれるわけでなく、親も代わってやることはできません。早くに敗北感だけを身に付けてしまうぐらいなら、勉強などしない方がましかもしれません。

人より先んじようなんて近視眼的な考えではなく、もっと長い目で・大きな視野から子供を育てた方がいいんじゃないか。遠回りのように見えても、結局はその方が受験レベルでも成功しやすいと思うのです。

実際、難関と呼ばれる中学に合格していくお子さんのご家庭は、そういうお考えの所が多いように見受けます。また、難関と呼ばれる学校の国語入試問題をご覧いただければお分かりになりますが、小さな頃から日常の言葉にちゃんと向き合っているか否かが大きなポイントとなっています。そうであってみれば、幼い頃は、限られた時間の「塾」よりも、常に顔を合わせている「家庭」の方が、より大きな国語教育上の影響力を持っていると言えるでしょう。

そんな理由から、宮田国語塾については、幼稚園や小学低学年の生徒をお預かりしていません。受験から離れた幼児の国語教育というものも十分考えられますが、それは、私よりこのブログをお読みの保護者様の方が適任者なのではないかと思います(そしてお子さんもそれを望まれるのではないでしょうか)。

おもしろい話があったら子供と一緒に聞いたり、子供が何か質問してくれば真剣に付き合ってやったり、ご飯を食べながらダジャレを飛ばし合ったり。そんな些細なことの方が大事でしょう。教育熱心イコール受験受験・成績成績と騒ぐことではありません。

無論、受験直前は一家をあげて受験受験と騒いでもらってよいと思いますけれど(笑)。

国語塾主催者、かつ、幼稚園児の父としての意見でした。

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