中学受験で成功するタイプの生徒

そろそろ関西の中学入試が始まる頃ですね。

指導していて常々思うことですが、中学受験で成功するタイプの生徒は、まず間違いなく「素直」です。

もちろん、家で保護者様に見せる顔は違うのかもしれません。実際、保護者様との面談の際に、家庭での意外な一面を聞くことが結構あります。しかし、指導を受ける際は、間違いなく素直な姿勢です。

その点については、今までに何度か書いたかと思いますので、今日は違う観点から考えてみましょう。

中学受験で成功するタイプの生徒は、まず間違いなく「タフ」です。身体的にも、精神的にも。

例えば、高学年の小学生を考えてみましょう。勉強すべき内容は、学校で勉強する内容とは全然レベルが違いますし(ほとんど別次元といっていいと思います)、宿題も大量に出されます。毎日2時間ほどコンスタントに勉強して……、というようなレベルでは到底太刀打ちできません。

いきおい、大量の時間を勉強につぎ込まねばならないわけですが、まずこの生活に耐えられる「身体的タフネス」が要求されます。学校生活だけでも、一日のうちの多くの時間が取られるわけですから、並大抵のことではありません。

そうした生活は、小学生にとっては辛いものになりそうなんですが、成功する生徒は意外に気にしていなかったりします。むしろ、「勉強するのおもろいし!」「次の模試が楽しみで楽しみでしようがないねん!」などとのたまっていたりします(笑)。

点数で順位を付けられたりするのは、しんどい気もしますが、成功する生徒は、逆にそれを楽しみにしていたり、発憤材料にしていたりする訳です。いい意味での鈍感さとでもいいましょうか。彼らはその種の「精神的タフネス」を持っています。
(仕事上の査定で、すぐにしょげかえったりビクビクする大人は見習うべきだとすら思えてくる……。)

私立中学側も、そうした「身体的タフネス」「精神的タフネス」を持つ生徒に入学してもらいたいと考えているはずで、(善悪は別として)入学試験は、そうしたタフネスのない生徒を振り落とすフィルターとして働いているのだろうと思います。

ちょっとシビアな話になりますが、中学入試の場合、家庭の「経済的タフネス」も要求されるので、上述の「身体的タフネス」「精神的タフネス」と合わせて三つのタフネスが、学力以外に要求されているということになります。

私見ですが、当初は中学受験を考えていながら、途中で受験自体を断念されるご家庭・お子さんは結構な割合に上るのではないかと思います。具体的には、中学受験塾に入ってはみたものの、途中で断念したというようなパターンです。はっきりとしたことは言えませんが、大体3割ぐらいにはのぼりそうなイメージがあります。

皆が皆、上記のようなタフネスを備えているわけではありませんから、無理もない話だと思います。結局の所、上記三つのタフネスがないと、受験すること自体も難しいということになるのでしょう。

なお、「中学受験に向いている子もいれば、向いていない子もいる」ということは、ご理解いただきたいと思います。向いていなければ、高校受験・大学受験に照準を合わせれば良いだけの話です。中学受験に比べれば、家庭の「経済的タフネス」はあまり問題になりませんし、子どもの身に「身体的タフネス」「精神的タフネス」が付いていることも期待できます。もちろん身に付いていないことも十分にありえますが……。

<参考記事>

中学受験で成功する生徒とご家庭「へこたれない」:国語塾・宮田塾のブログ