「一○○里」の形になる四字熟語

たまには四字熟語の話でも。

先日、生徒(小学生)の持ってきた四字熟語の問題を採点していたところ、こんな問題がありました。

一○○里

○のところに漢字を入れて四字熟語を作りなさいというわけですが、さっと答えを思いつかれますでしょうか?もちろん、私はこんなの瞬殺ですよ、念のため(笑)。

おそらく解答として予定されているのは、

一望千里(いちぼうせんり/広々と見晴らしがよいこと)

だろうと思いますが、この四字熟語案外マイナーなのかも。大辞林第4版や日本国語大辞典精選版では、独立項目として掲載されており意味も説明されているんですが、最新版の三省堂国語辞典と三省堂新明解国語辞典には独立項目として立てられていないんですよね。「一望」の説明のところに、用例としてちょろっと出てくるだけで、四字熟語としての意味説明は施されていません。

ちょっと詳しい人なら、こんな四字熟語を思い浮かべるかも知れません。

一瀉千里(いっしゃせんり/物事が一気に進むこと,文章や弁舌が明快でよどみないこと)

川の水が一気に千里も流れ下る様子からできた熟語ですが、「瀉」が小学生配当の字ではないので、解答として予定されてはいないでしょう。もちろん、バッチリ書けていれば正解にするべきだと思いますが。

あとこんなのも。

一葉万里(いちようばんり/一艘の小舟で広い大海を渡ること)

完全に小学生配当の漢字で書けるので、間違いではないんですが、採点者がこの四字熟語を知らないという事態も想定されるので、避けた方がいいのかも……。ちなみに「葉」というのは小舟を数える時の助数詞です。

こんな問題はどうでしょうか。

一○○里の形になる四字熟語を三つ考え、その三つ全てを使った短文を書きなさい。

「一葉万里の冒険を終えた私は、一瀉千里に冒険ドキュメンタリーを書き上げベストセラーとし、その印税で高層マンション最上階一望千里の部屋を購入した。」

そんなマニアックな問題出るはずないって?私もそう思います(笑)。