日本語教育能力検定試験合格 #2 受験の理由

2011年度の日本語教育能力検定試験に合格しましたが、受験を考えたのは下記のような理由によります。昨年、漢検1級合格の際に書いた記事とよく似た趣旨です。

1.塾としての存在証明

私は一般的な塾と国語専門塾を運営しており、どちらにも同じだけの熱意を注いでいるんですが、特に後者の国語塾は受験国語に特化していることもあって、近畿圏だけではなく中部地方や四国地方からもお問い合わせを頂くようになっています。こんな小規模な塾なのに、本当に有り難いことです。

売り上げや生徒数などを競う気持ちはさらさら無いんですが ー 多分他塾と比較にすらならないと思います(苦笑) ー 国語塾としての知識・指導については国内トップクラスたるべく頑張っています。そういう意味で、価値のある国語・日本語関連の検定試験があれば、最上級を取っておき、国語塾としての実力を証明しておかねばならないと常々考えています。

国語塾といっても、資格が必要なわけではなく、誰でも参入可能な業態に過ぎません。その気になれば、あなたも明日から開業できます(笑)。こういう業界は、勢い玉石混淆状態になってしまうわけですが、その中で生き残ることができるのは、やっぱり実力を備えた本物だけだと思うんですね。

また、通塾いただいている生徒さんや保護者さんに、ご安心頂きたいという思いもあります。「この人についていけば大丈夫」「こいつに任せておけば大丈夫」と思って頂くことは、学力を伸ばす上で非常に大切な部分です。そのために必要とされるのは、小手先のテクニックなどではなく、指導者の圧倒的な学力・実力だと確信しています。高校生の頃の私自身、そういう先生の話しか聞く気になれなかったんですよね(嫌なヤツだな)。

常に研鑽を続け、他塾に「一歩」先んじるのではなく、「五歩十歩」と先んじる。そして意識・リテラシーの高い保護者様や生徒さんに当塾を選んでいただく。それが当塾の生きる道だと考えています。

2.勉強自体が楽しい

私の場合、仕事柄、人様に勉強しろという立場にあるわけですが、やはり自分も勉強していないと説得力がありません。もちろん、「俺もこれだけ勉強しているんだから、君も勉強しろ」なんてバカな強制を生徒にしたことはありませんし、これからもするつもりはありません。

ただ、「ちゃんとトレーニング・勉強して自分を高め続けている人」というのは、どこかしらそういうムードがかもし出されるもので、人を指導するという立場上、そうした「向上型人間」である必要があると思うんですよね。私の経験上、「向上型人間」の周りには、似たような人達が集まる傾向があり(逆も又然り)、そうだとすれば、塾の運営者たるもの、常に何かを勉強し続けなくてはならないのではないか、と考えているわけです(と偉そうに言ってはいるものの、外見がうすぼんやりしているので説得力に欠けますね(涙))。

じゃあ、義務的にいやいや勉強しているのかと言うと、そうでもありません。むしろこの年齢になると、勉強の楽しさがより深く分かります。知らないことを知り、自分をレベルアップしてゆくというのは人間の根本的な喜びではないでしょうか。

今回の日本語教育能力検定試験に向けた勉強ですと、言語学や日本語の統語論を今までと違う角度から確認できたのは大きな収穫でしたし、教授法や第二言語習得理論は今後の授業に直接的に役立てることができそうです。関連する社会学や心理学はとても興味深いものでしたし、音声学・音韻論は全く未知の分野でしたから、眼から鱗が落ちまくりました(笑)。


能書きはこれぐらいにして、受験勉強中の方々に役立つような内容面に入っていきたいと思います。具体的には、日本語教育能力検定試験の内容、合格までのスケジュール、利用した書籍、試験当日の話などを記事としてまとめていく予定です。

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