先日、臨時国会で高市早苗氏が首相に選出されました。女性総理大臣である点が画期的であることは言うまでもありませんが、非世襲議員である点、特権的な階層出身ではない点も、近時には珍しいだろうと思います。
もちろん、それらの属性についても大いに注目すべきであるとは思うんですが、私が最も注目するのは、彼女が「バイク乗り」であるという点です。今はバイクに乗っていらっしゃらない可能性が高いとは思いますが、少なくとも若かりし頃、乗っていらっしゃったことは間違いありません。
確かカワサキだったよな、と思って調べてみると「Z400GP」だったとの由。ネット上には若かりし頃の高市氏がZ400GPに跨がる写真があふれています。バイク好きな人の場合、「Z」という頭文字を見れば条件反射的に「Kawasaki」というメーカー、そして「男臭さ」を想起するはずですが、多分高市氏もそうなんじゃないかと。
阪奈道路という奈良と大阪を結ぶ幹線道路がありまして、必然的に府県境の生駒山を上って下る道になります。今でこそ第二阪奈道路という高速道路(ほとんど生駒山を貫通するトンネル)もあるので、交通は分散していますが、それでもやっぱり奈良と大阪を結ぶメインロードは阪奈道路。私も高校生の頃から何度通ったか分からないほどの道路ですが(今もよく通ります)、アップダウンが楽しい上に、上り下りで道路が分離されているので走りやすいんですよね。
結構スピードが出やすい道で、私も昔はモゴモゴモゴ(笑)、高市氏もかつてよく阪奈道路をバイクで飛ばしていたという話を聞きますので、知らないうちにすれ違っていたかもしれません。ただ、峠道とあって昔から死亡事故も多く、今だに覆面パトカーが沢山いる道でもありますので、安全運転で通行されたし。
で、思うんですが、歴代の首相でバイクに乗る人って皆無だったんじゃないでしょうか。少なくとも、バイクに乗っていたことを公言したり、乗っているところを目撃されたりという人が思い浮かびません。
責任ある地位ということで、首相在任中に、事故を起こしたりテロ被害に遭いやすかったりするバイクに乗れないことは理解します。が、若かりし頃に乗っていた経験がある人もいないというのは、かなり不自然な事態であるような気もします。おそらくは、先述した出自(世襲議員であるとか特権的な家庭出身であるとか)と関係しているんでしょうね。日本の場合、そういう家では子供がバイクに乗ることを禁じそうですし。偏見かもしれませんが……。
今後日本のかじ取りを行う高市氏。彼女を一人の「バイク乗り」として見たとき、どんな性質をお持ちなのか。このブログの常として、政治的見解には踏み込みませんが、一バイク乗りとして想像してみたいと思います。
まず、バイクに乗る女性って、良い意味で男性的な人が多いように思います。男性・女性がどうこうというのも時代錯誤だとは思うんですが、ここは言葉の綾ということでご理解いただきたく。別の言葉で言えば、他者と群れることをあまり良しとせず、単独行動を好む人が多いと申しましょうか。自己決定、自己責任を肯んじるタイプですね。
やや下品な表現とお感じになるかもしれませんが、そもそもバイクって、車とは違って大股を開いて乗るマシン。特にレースに出るような大型のマシンになると、かなりのタンク幅ですので、両太ももでタンクを押さえるような乗車姿勢(それが正しいとされます)でいると次の日は内股が筋肉痛になるぐらいです。
古い話になりますが、明治初期に日本横断旅行を敢行したイギリス人女性イザベラ・バードは移動に馬を利用しました。当初は馬に「横乗り」、つまり馬の背中に腰掛けて両足を右側もしくは左側に出していたらしいんですが、途中からはこちらの方が楽だと勧められて「大股を開く乗り方」に変えたそう。その際、女性としてとんでもなくはしたない行為をしていると感じて、強烈な羞恥心を覚えたらしい。これはバードだけでなく、その頃の欧米女性の一般的常識であったらしく、それを思うと(やや飛躍はあれど)、やっぱりバイクに乗るのは、一種の「男っぽさ」が必要かなと思います。機会があれば、一度スーパースポーツと呼ばれる大排気量のマシンに跨がっていただくとご理解いただけるかと。
上記のような観点からすると、「Z400GP」という男臭いバイクに乗っていた高市氏は、政界を渡ってゆくに必要な「男っぽさ」をお持ちなんじゃないかと想像します。それゆえに、フェミニスト的な立場の女性からは覚えがめでたくないのかもしれませんけれど。
あともう一つ挙げたいのは、バイクに乗ると「瞬間判断」が常時求められるため、集中力が高く決断が速いタイプになりやすいという点です。バイクの場合、1・2秒で判断して行動しないと、大事故になってしまう、場合によっては死んでしまうというシチュエーションがよくありますので、否応無しに集中力と決断力が養われるように思うんですよね。
慎重さを欠く人がバイクに乗ると、大きな事故を起こしたり、場合によっては死亡してしまったりするケースがありまして、実際に私も身の回りでそうしたケースを見ています。私が一番頭脳を働かせているなと思うのは、バイクを運転している時でして、車の運転をしている時の5倍ぐらい、仕事や勉強をしている時と比べるなら10倍ぐらい働かせているような気がします(笑)。まあ、命が懸かってますから当然なんですが。
この集中力と決断力って、総理大臣として本質的に重要な力ではないかと思います。一国の行政の長として、膨大な量の困難な決断を日々こなさねばならないはずですからね。
憲政史上初のバイク乗り総理大臣が、その経験を活かして能力を遺憾なく発揮されることを期待します。