日本語教育能力検定試験合格 #1

2011年度日本語教育能力検定試験に合格しました。初回受験ですので、一発合格ということになります。通算勉強期間は約1ヶ月。
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(合格証書には写真があるんですが、お見せするレベルにないので消してあります(笑))

日本語教育能力検定試験をよくご存知でない方もいらっしゃるかもしれませんので(私も半年前までそうでした)、試験内容や関連データについて少し説明しておきましょう。

日本語・国語に関する検定試験はいくつかありますが、大きく分けて「日本語を母語とする者向きの検定試験」と「日本語を母語としない者向きの検定試験」があります。

前者の「日本語を母語とする者(日本語ネイティブ)向きの検定試験」としては、「日本語検定」「漢字検定」などが挙げられます。これらは原則として日本語ネイティブ向けですから、このブログをご覧の方々の中にもご存知の方が多いかと思います。

後者の「日本語を母語としない者(日本語非ネイティブ)向きの検定試験」は、私も不勉強で最近までよく知らなかったんですが、下記の二つが特に重要な試験とされています。

「日本語能力試験」(日能試・JLPT)
日本語学習者向けの日本語能力認定試験。各回の受験者数が40万人~50万人程度にのぼる最も大規模な日本語学力認定試験です。国内はもちろん海外でも実施されています。日本語ネイティブにとっての「英検」をお考えいただければ分かりやすいかと思います。

「日本留学試験」(日留試・EJU)
私費留学希望者に対する大学入学のための選考試験。学習・研究活動に必要な日本語の学力(アカデミック・ジャパニーズ)が試されます。日本語ネイティブにとっての「TOEFLテスト」をお考えいただければ分かりやすいかと思います。

日本語教育能力検定試験は、上記のような試験とはやや趣を異にする試験で、外国人に日本語を教える教員としての能力を試す試験です。やや語弊はあるかもしれませんが、簡単に言えば、「(外国人に教える)日本語教員になるための資格試験」ということです。

公式サイトにある、日本語教育能力検定試験実施要項には、こう記されています。

日本語教員となるために学習している者、日本語教員として教育に携わっている者を対象として、日本語教育の実践につながる体系的な知識が基礎的な水準に達しているかどうか、状況に応じてそれらの知識を関連づけ多様な現場に対応する能力が基礎的な水準に達しているかどうかを検定することを目的とする。

 


実は私も今年の6月頃まで、これらの試験についてよく知りませんでした。このブログ(というかどのようなブログでも)、どんな言葉で検索してご覧頂いているかを管理者権限で見ることが出来るようになっていまして、時々サーチワードを見るようにしているんですが、今年の6月頃、「日本語能力試験」や「日本語教育能力検定試験」というサーチワードを眼にすることが数回ありました。このブログが「日本語検定」や「漢字検定」を取り上げているせいでしょう。少し気になった私は、上記試験について調べてみました。
(サーチワードから仕事上のヒントをもらうことが多く、検索して下さる方にはとても感謝しています。)

判明したことは次の通り。

◯ 日本語非ネイティブ向きの試験として「日本語能力試験(日能試・JLPT)」「日本留学試験(日留試・EJU)」がある。

◯ (外国人に教える)日本語教員になるための資格試験として、「日本語教育能力検定試験」がある。

私、生まれも育ちもチャキチャキの日本人ですから、さすがに日本語非ネイティブ向きの試験を受ける必要は感じませんが(英語ネイティブがTOEICを受けるがごとし)、「日本語教育能力検定試験」には強く興味を覚えました。

現在、私は国語塾と一般塾を運営しており、日本語話者に国語を教えることを生業としているわけですが、外国人に日本語を教えるという観点から国語・日本語を捉えなおすことは、自分にとっても生徒さんにとってもいくらかの利益になる、そんな直感があったんですね。

実際、日本語教育能力検定試験に合格した今、振り返ってみると受験勉強は「いくらかの利益」どころか「大きな利益」をもたらしてくれたんですが、このあたりはまた詳述するとしましょう。


直近の合格者データも紹介しておきます。

<平成22年度>
応募者数 6823人
受験者数 5616人
合格者数 1197人
合格率(応募者ベース) 17.5%
合格率(受験者ベース) 21.3%

<平成23年度>
応募者数 7034人
受験者数 5732人
合格者数 1527人
合格率(応募者ベース) 21.7%
合格率(受験者ベース) 26.6%

私が6月頃調べた際は、平成22年度のデータが最新でした。受験者ベースの合格率で21.3%。公式サイトに掲載されている試験問題を見たところ、結構自分と相性が良さそうです(自分の興味分野とかなり重なりがある)。

「よし、短期集中で一発合格しよう。試験日は10月下旬か……。今からでも俺なら余裕だぜ!」

いえいえ、自惚れているのではありません。自分で「合格できる」と強く思わないと、絶対に合格は訪れないと思うのです。外からはバカっぽく見えても関係なし。とにかく合格できると信じ込む(笑)。

その日はネットで色々な情報を収集し、めぼしい参考書・問題集をチェック。早速、次の日にジュンク堂に出かけ、様々な勉強資料を買い込みました。こういうフットワークは異常に軽い。

その日、参考書や過去問をさっと眺めて得た結論。「それなりに知識のある分野もあるが、全く知らない分野も多い(音声学・教育学など)。ただ、知識問題は短期間で覚えこめば何とかなるだろうし、記述問題は試験場で初見でやればいいから勉強不要だろう。リスニング問題はあまり自信がないが、これも短期間で何とかなるだろう。とすれば、長期の準備はあまり必要なさそうだ。そう、試験勉強期間は1ヶ月としよう。」

今考えれば、甘すぎる計画なんですが、何とかなりました。記述試験の採点基準が分からないので、マーク試験の方だけになりますが、自己採点は189点(220点満点,得点率85.9%)。準備期間を考えれば悪くないのではないかと思います。

具体的なスケジュールや勉強方法について知りたい受験生もいらっしゃると思うので、ぼちぼちと記事にしていきたいと思います。

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