「あり得ない目標」と「ありえない努力」

時々ではありますが、受験生(またはその保護者様)から「常識的に考えてあり得ない目標」を聞くことがあります。

例えば、

「偏差値は30台だけれど、絶対に国立大医学部に合格したい」

「センター試験はほとんど0点だったけれど、難関大学に入学したい」

「小学校の勉強に全然ついてゆけないけれど、難関中学に入りたい」

といった目標です。

私達は、そうした目標を馬鹿にしたり、笑ったりはしません。高い目標を持つこと自体は悪いことではないと思うからです。

しかし、しかし。

常識的に考えてあり得ない目標」に対応するのは、「常識的に考えてあり得ない努力」です。

具体的には、「睡眠時間を3時間ぐらいに絞って、毎日20時間ぐらい勉強する」「1年間一切他人とは口をきかず勉強に没頭する」「目を開けている時間は食事中も移動中も入浴中も絶対に勉強し続ける」といった類の努力です。

私の経験上、「あり得ない目標」を語る人の中に、「あり得ない努力」をする決意のある人は、ほとんどいません。まして、「あり得ない努力」を実際にする人は皆無に近いでしょう。

指導者がなんとかしてくれる?いやいや、そんな神様はいません。Heaven helps those who help themselves. 「天は自ら助くる者を助く」です。

極端すぎる?そうかもしれません。しかし、極端な目標を達成するには、極端な努力しかありません。「命がけ」という言葉がありますが、まさにそれです。単なる努力なのではなく、命を燃やし尽くすとでもいいましょうか。異常な努力の結果、実際に身体を壊して命を落とす人、自ら命を絶ってしまう人もいますが、決して不思議なことではありません(私の身近な話ではありませんけれど)。

個人的な考えですが、受験生には、「常識的な努力」でカバーできる「常識的な目標」を持つことをお薦めします。

「常識的に考えてあり得ない目標」を語る資格は、「常識的に考えてあり得ない努力」をする決意のある人のみに与えられるべきだと思います。