以前も中学生の数学理解度について書いたことがあります。
中学生の数学理解度:国語塾・宮田塾のブログ
http://kokugojuku.com/blog462
「教科書レベルの数学をきちんと理解できている中学3年生の割合は3割程度である」ということを書いたんですが、下記のニュースはその主張を裏付けているように思います。
asahi.com(朝日新聞社):数学落ち込む中学 いわての学力を考える – 教育
http://www.asahi.com/edu/news/TKY201011160228.html
(上記記事より引用、全国学力テストの分析記事です。)
そこで出された問題は、円柱の体積の求め方。「円の面積×高さ」が正解だが、県内の誤答と無回答を合わせると67.8%となった。誤答のうちの約3割が、円の面積を求めるところで円周(直径×円周率)を求めていた。
小6で理解しなければならないことをおろそかにしたまま、中3になっている生徒が多いことが、推測される。
この傾向は全国的にも見られることだが、岩手はより深刻だ。
岩手県のニュースですが、全国的な規模で同様の傾向が見られることも指摘されています。
「円柱の体積」を求める問題、決して複雑な問題ではないですよね。
1.円柱の体積は「底面積(円の面積)×高さ」で求められる
2.円の面積は「半径×半径×円周率」で求められる
必要な知識はこれだけ、計算も単純です(円周率はπのままでよいため小数の計算は必須ではない)。
このレベルの問題に正確な答えを出せる中学3年生は(全国でも)3割強である、ということは覚えておいて損のない事実だと思います。
大げさな話に聞こえるかもしれませんが、個人的には、日本社会の将来(の一側面)を占うことができる数字だと思っています。