報道でご存知の方も多いとは思いますが、2010.11.17より、iTunes Music Store で、ビートルズの楽曲・アルバムの取扱が始まりました。
iTunes Music Store は、Apple社の運営する世界最大のオンライン楽曲配信ストアなんですが、今までビートルズを扱っていませんでした。
比喩的に言えば、大規模な果物店なのに「林檎」を扱っていなかった、というところでしょうか。そりゃ店主(スティーブ・ジョブズ)にすれば、気になるところだったでしょう。
今回の歴史的和解(?)は、EMIの台所事情もあったんだろうとは思いますが、そのあたりの経緯については別のブログにでも任せます。
私が強調したいのは、20世紀音楽における最大のアイコン=ビートルズが、オンラインで取り扱われるようになったということの意義です。
ネット上を見て回ると、昔のバンドがネット上ストアで取り扱われるからといって何の意味があるのか、という意見が多い様です。確かに、ビートルズ・リアルタイム世代でない人々(私もその一人ですが)からすると、意義深い様には思えないかもしれません。そもそも、ビートルズが好きなら、とうの昔に手持ちのアルバムからリッピングしてiPodに放り込んでいるはずですからね。
しかし、それでも、20世紀音楽における最大のアイコン=ビートルズが正式にオンラインに出現したということは、意義深いことであるように思うのです。
古い話ですが、関ヶ原の戦いで西軍が負けた時点で、東軍(家康方)への権力移行が決定的になりましたよね。ビートルズが iTunes Music Store で配信されるのは、ある意味、「関ヶ原の戦いにおける東軍の勝利」のような歴史的意義を持つのではないか。もちろん、西軍がCD軍、東軍がオンライン配信軍です。ま、少し大げさすぎる気もしますけど(笑)。
ただ、少なくとも、CDや新聞・書籍といった物理的なメディアがどんどん衰退してゆく時代の、象徴的な一コマであることに間違いはないでしょう。
私自身は、あまりビートルズに興味があるわけではなく、音楽ファンとして一応一通りのアルバム・楽曲を知っているという程度なので、楽曲の制作年代や背景については頭の中があまり整理されていません。曲名を聞いてすぐに収録アルバム名を答えることが出来ないレベルとでも言いましょうか。ローリング・ストーンズならば、大抵の曲はアルバム名がすぐに浮かぶんですけどね。
今日は私のお気に入りのビートルズ・フォロワーをご紹介しておきます。
2008年発表の曲ですが、音楽的センスといい、服装のセンスといい、ビートルズへの敬意がビシビシ感じられます。マイルズ・ ケイン(向かって右側)はポール・マッカートニーに似ていますし(笑)、アレックス・ターナー(向かって左側)にはちょっとジョージ・ハリスン的なムードも。両人とも、メインのバンドがあり、この The Last Shadow Puppets はサイドプロジェクトなんですが、とても面白いバンドです。
個人的には、アレックス・ターナー (Arctic Monkeys) の才能を高く買っております。
The Last Shadow Puppets – ‘Standing Next to Me’ (2008)