聞く耳を持たない

昨日、鳩山首相が辞意を表明しましたが、その際の発言で少し気になる点があります。(例によって、塾ブログなので政治的意見には踏み込みません。言葉の問題と捉えていただければ幸いです。)

鳩山首相曰く、「国民の皆さんが鳩山政権に対して聞く耳を持たなくなった」と。

報道によると、記者団に対する会見でも、両院議員総会の場でも同様の表現を何度かしておられたようなので、彼の認識を如実に表している表現なのだろうと思います。

そもそも、「聞く耳を持たない」という表現には、「こちらが真っ当な意見を述べているにもかかわらず、相手が愚かなため全然聞き入れてもらえない」というニュアンスがあります。

実際、辞書で調べてみるとこんな風に説明されています。

きくみみ【聞く耳】
他の意見を素直に聞く謙虚な姿勢。
「―を持たぬ為政者」
(新明解国語辞典第五版より引用)

首相がどういう意味合いでこの表現を使ったのか定かではありませんが、国民としてはあまり面白くない(笑)。「俺はまともなことをやっているのに、何でバカな国民達は分からねーんだよ!」というニュアンスが読み取れてしまうわけですから。

首相自身が内心そう考えるのは構いません。というか、それぐらいの気概がないと、リーダーシップは取れない。しかし、それを表に出すべきか否かは全くの別論です。少なくとも表面的には、「国民の意見を真摯に受け止める」というポーズが必要だと思うんですよね。

そういうわけで、私が首相のゴーストライターならこう書き換えます。

「国民の皆さんに鳩山政権をご理解頂けなかったのは、全く私の不徳の致すところでございます。」

これだったら、「国民には理解してもらえなかった」「でも、自分の採った政策自体は全然おかしくない」というニュアンスが、嫌味無く伝わったであろうと思います。

ということで、次期首相、私をゴーストライターにいかがでしょうか?(笑)