堀口大學『訳詩集 月下の一群』

前記事『3月のライオン』で詩情の話を書きましたが、そのつながりで。これもAmazonから同時に到着しました。岩波文庫の版です。

詩集 月下の一群
堀口大學訳

訳詩集 月下の一群 (岩波文庫)

私、この訳詩集は高校生時代に読んだものだとすっかり思い込んでいたんですが、未読でした。あれれ?

1.昔から堀口大學の訳でランボーやヴェルレーヌなどフランス象徴派詩に慣れ親しんできた

2.文学史の知識として「堀口大學『月下の一群』」と覚え込んでいた

3.上田敏の訳詩集『海潮音』は高校生の頃からよく読んできた

その結果、『月下の一群』は何度か読んできた、という風に思い込んでいたんでしょうね。パラパラ読んでみましたが、やっぱり日本語が上手いなあ。少し古いフランス詩の日本語訳に気軽に触れたいなら、堀口大學の訳が一番いいと思います。上田敏だと訳自体が古文になってくるので……。

仕事ではよく詩(和歌や俳句を含む)を扱いますけれど、普段の生活で詩集をよく読むかというとそうでもありません。というか、詩や詩情って普段の生活に溢れていると思うんですよね。私はバイク好きですが、バイクに乗って見知らぬ山道や海辺の道を駆け抜けるのは、「詩」そのものだと思っています。いや、本当に(笑)。

普段の生活のなかで、詩集や和歌集を読むのもそれはそれで楽しいことです。バイクでどこか海辺の町のカフェに出かけて、『月下の一群』を読めば楽しそう、というか、確実に楽しいんですが、なんかちょっと中二病が入ってますよね。

「あの人、バイクを駐めて入ってきたと思ったら、ブラック珈琲を頼んだよ。」
「うわっ、海を眺めながら詩集を読んでる!」
「わっ、ちょっと涙ぐんでるやん!」
「きんもーっ☆」
みたいな。自分でも笑ってしまうわ、確実に(笑)。

また家でゆっくり読んでみたいと思います。