志望校に合格する人は読みやすい答案を作る

ネットであれ、書籍であれ、国語に関する興味深い記事があれば、かならずチェックしています。もちろん自分の仕事に役立つからですが、その中には、ブログで紹介したいなと思う良記事=成績向上に役立つ記事も大量にあります。

それらの記事はネット上のサービスを使って保存しているんですが、溜まるばっかりでなかなかブログ記事にできていません。もっと書きたいねんけど時間的余裕ないねん……。

ちょっと反省しつつ、今日はこんな記事をご紹介。

「クリエイターになれる人となれない人」の違いです。国語と関係ないじゃないかって?まあ堅いことは言わず、こちらの漫画をちょっと読んでいただければ(引用したツイート内の画像をクリックすれば読めます)。

これ、本当に受験生にもそのまんま当てはまるんですよね。

「クリエイター」を「第一志望に合格した人」とか「難関校に合格した人」に読み替えれば、私が現場で見続けてきたこととほぼ完全に重なります。

この漫画の作者「ぬこー様ちゃん」は言います。

ちゃんとクリエイターになった学生さんたち、字が読みやすい。

一方クリエイターになれなかった学生さんたち、字が汚ねぇし読みにくい……。

志望校に合格する人は字(答案)が読みやすいという傾向、これは確実にあります。「字が上手」でないとダメだということを言いたいのではありません。「字(答案)が読みやすい」人が合格しやすいという話をしています。

この漫画内での指摘、当を得ています。

「常に人に見てもらうことを前提に読みやすく字を書いてる子は、そのちょっとした配慮が、イラストや漫画に出てる。ちゃんとユーザーを意識してわかりやすい創作を心がけている子が多い。」

これ、中学受験の世界に置き換えるとこういうことになります。

「常に採点者に見てもらうことを前提に読みやすく字を書いてる子は、そのちょっとした配慮が、答案に出てる。ちゃんと採点者を意識してわかりやすい答案作成を心がけている子が多い。」

クリエイターになれなかった人についても正に同じ。

「一方読みにくい字を書いてる子たちは、字なんて自分が読めればいいし!と思っているので、創作にもそれが滲み出てる。配慮がないのだ。」

置き換えるとこう。

「一方読みにくい字を書いてる子たちは、字なんて自分が読めればいいし!と思っているので、答案にもそれが滲み出てる。配慮がないのだ。」

いやね、受験する学校が超不人気校で「受験生様、ぜひ我が校にお入り下さいませ〜」と土下座しかねない勢いならば、確かにぞんざいな態度でもいいと思うんですよ。「おらおら、書いてやったぞ、ありがたく読みやがれ。」

でもそうじゃないですよね。難関校は「そんなに入りたいなら入れてやってもいいけどさぁ」「面倒だからやる気ないヤツはとっとと帰ってよね」みたいな態度でいると思って欲しいんです。

そんな学校・採点者に「恐れ多くも読んでいただく」んですから、答案の読みやすさには最大限の配慮が必要なはず。私は生徒さんに常々、「採点者は受からせるために答案を見てくれているのではなく、落とそうと思って答案をチェックしていると考えて欲しい」と伝えております。

なのに、模試の答案を見せてもらうと、判読に困難を極めるようなものが時々あります。もちろん、当人に注意はしますが、根本的な姿勢なのでなかなか直りにくい。「コミュニケーションを取るなら相手に配慮せよ」というのは、「国語」というよりほとんど「道徳」の範囲なので、あんまり言いたくはないんですけどね。

しつこいようですが、「字の上手さ・うまさ」を身に付けろと言いたいのではありません。そもそも私自身も下手くそな字しか書けませんので。「字が下手でもいいから、採点者に読みやすい答案にしろ。」私が言いたいのはこれにつきます。

工夫は色々できますよね。字の大きさを揃えるとか、字のベースラインを揃えるとか、濃いめの字を書くとか、漢字とひらがなの配分を考えるとか。

難関校合格者の答案は、字の巧拙にかかわらず、「合格させて下さい」という熱意と、読みやすさへの配慮が同居しています。ちょっとした配慮が、合否の差となって現れるかもしれません。心当たりのある受験生は改善されたし。