勝尾寺の「勝ちグミ」

例年、入試を目前に控えた受験生には、ささやかながら何らかのプレゼントを渡しています(入試直前期に在籍している人に限らせていただいてます、すみません)。

当塾としても心から応援していますというメッセージを伝えると共に、リラックスして本番を迎えて欲しいという気持ちからです。

以前は私たちで神社に参詣のうえ(京都の北野天満宮や大阪天満宮が多かった)、受験生用御守りを授与していただき、各生徒さんに渡していたんですね。灘中に合格した某君なんかは、入試本番中に何度もポケットの御守りを撫でさすっていたらしく、そのおかげで合格したのではないかと保護者様がおっしゃっていたぐらいです(もちろん神頼みではなく実力合格です)。

そんな風に、それなりに多くの方々に喜んでいただけたかなとは思うんですが、御守りはどうしてもやや宗教的な色彩を帯びてしまいます。おそらくはありがた迷惑にお感じになった保護者様もいらっしゃったかと……。私どもがわざわざ貰ってきたものなので無下に断るわけにもゆかず、さりとて自分の宗教観とは相容れず、といったケースがもしございましたら、今更ではございますが、深くおわび申し上げたい思います。

我々としても、入試直前期の受験生の心理的負担を少しでも軽くして、合格への勢いづけをさせてもらえればという一心でして、そのためのささやかなプレゼントとしては、「御守り」以外によいものがなかなか見つからなかったというのが実際のところです。


数年前、妻とドライブがてら箕面にある「勝尾寺(かつおうじ)」に出かけました。北摂は、私がバイクでよく出かけるところでして、半分庭みたいに思っているところなんですが(笑)、残念なことにこの由緒ある「勝尾寺」のあたりは、バイク通行禁止。箕面警察署に届け出れば通行許可証をもらえるものの、そんな面倒なことをしてまで行こうと思わず、長い間行ったことのないお寺なのでした。

で、紅葉ももう終わろうかという時期、ちょっとデートがてら行こうよと軽い気持ちで出かけた「勝尾寺」。寺名からおわかりの通り、1300年前より「勝運の寺」として信仰されているんですが、楽しいお寺で、参詣者を飽きさせない仕掛けがそこかしこにあります。

池上に霞たなびき、迦陵頻伽の声ぞ聞こゆる、ここは極楽浄土なり。というのは嘘ですが、昔の浄土観をよく表していると思います。霞はドライアイスだけど、なかなかいい演出。

 

参詣路。紅葉を踏み分け踏み分け進みます。

 

帰りがけに立寄った売店にて、これは!という品物を発見しました。「勝ちグミ」なる菓子です。UHA味覚糖と勝尾寺のコラボ商品らしく、勝尾寺のメインキャラであるダルマが大きくプリントされたグミ菓子なのでした。

結構売れ筋の商品と見えて、在庫量たっぷり。

「これ、ひょっとしたら受験直前の生徒さんにあげるのにいいんと違う?」

「そうやね、『勝運』を招いてくれそうでいて、宗教色もあんまりないしね。」

「加えて、食べたら消えるものの方が貰った方も気楽だしね。」

「勝尾寺でしか手に入らないのもいいなあ。」

「あとは『味』がどうかだね。」

ということで、その場で一袋購入して緊急試食会開催!

「んまいね!」「これいいね!」

ということで、生徒さんの分を箱買いして帰って来たのでした。

で、12月頃から、各生徒さんに配り始めたんですが、意外な反応が……。

「先生、このあいだ下さった『勝ちグミ』なんですけど、一日に何個食べればいいですか?」

「えっ?そりゃ好きなだけ食べてくれていいんだけど……。」

「はい……。分かりました……。」

一人当たり二袋を進呈していたので、試験前にご家族と景気付けで食べてもらえればと思っていたんですが、どうやら毎日1個ずつ食そうとしてくれていた模様。やっぱり算数がバリバリにできる理系脳の子達は違います。個数なんて気にしていなかった私たちは思いっきり文系脳。他の生徒さんからも同様の質問を受けたので、ちょっとあわてて自宅用に買っておいた『勝ちグミ』を開封して調べてみます。

確かに、毎日1個ずつ食べるとすると、二袋では入試当日まで微妙に持たない個数でした。う〜ん、悪い事をしたなと思い、次の年からは「一人当たり三袋」を進呈することにしたんですけれどね。その年の人はゴメン。

合格後に保護者様から伺った話ですが、ある生徒さんは、開封後即座に個数をカウントしたうえで逆算し、12月○日から一個ずつ食べて、入試当日に最後の1個を食べる計画を立てたとの由。毎日勉強を終えて寝る前の一時を、癒しの『勝ちグミ』タイムとして、ものすごく楽しみにしていたとか。もちろん、難関中学に合格されまして、私たちももちろん嬉しいんですが、UHA味覚糖の製品企画担当者だったら、泣いて喜んでくれるかもしれません。

他にも、入試前日、家族一同で行った激励会的な場で食して下さったご家庭があったりで(もちろん彼も難関中学に合格されました)、それなりにお役に立てたかと思うととても嬉しく感じます。

ただ、ただ……。

去年息子(受験生なのです)にこのグミを渡してやったところ、「あ〜これ最近コンビニで売ってるで」とのたまうではありませんか!マジで?普段コンビニで菓子を買うなんてことがないので、全く知りませんでした。

何なん!何なん!こんな素晴らしい縁起物をコンビニで売らないでくれるかな、UHA味覚糖!ちゃんと勝尾寺まで出向いて合格祈願を行ってから入手しているのに、そこらのコンビニで買ってきて適当に渡してるみたいじゃないですか!

もちろんUHA味覚糖も商売として販路を広げる必要があるでしょうから、私たちの憤りは不合理だということもわかるんですけどね……。

というわけで、今後も当塾でお配りする『勝ちグミ』は、ちゃんと本家本元「勝尾寺」に参詣のうえ、入手してくることを宣言しておきたいと思います。そんじょそこらの『勝ちグミ』にはあらぬぞよ、「勝尾寺」の『勝運』を頂きたる、霊験あらたかなる『勝ちグミ』なるぞよっ!

験担ぎは私どもに任せてもらって、受験生は勉強の方を頑張って下さいね。応援しています。