Solas のアルバムを久々に掘り出した話は前回書いた通りなんですが、『The Words That Remain』というこのアルバム、調べてみると、1998年発表なんですね。CDショップで新着オススメ盤として並べられていたのを購入した覚えがあるので、ずいぶん前の話です。
下記の映像を見て、メンバーが替わったことに気付いたぐらいで(Reunionしかも2006年)、永らくご無沙汰していたバンドです。
アルバム1曲目の『Pastures of Plenty』が圧巻。
Solas : Pastures of plenty – Reunion 2006
スリリングな演奏はトラッド本流という気がしますが、実はアメリカのバンドなんです。もちろんアイルランドにルーツを持つメンバーが多いのだろうとは思いますが。
元はウディ・ガスリー (Woody Guthrie) というフォークシンガーの曲ですが、いかにもウディらしい歌詞です。スタインベック『怒りの葡萄』の世界。
Through deserts so hot and through mountains so cold
(拙訳:灼熱の砂漠を抜け、極寒の山々を越え)I come with the dust and I’m gone with the wind
(拙訳:俺は埃と共に来たりて、風と共に去る)
いや、これってメロディといい歌詞といい、完全にバイクの歌に聞こえます。そう、四気筒のエンジンじゃなくて、ツインのエンジン、風の強い海辺の道、4000回転/分ぐらいでコーナーをクリアしてゆく感じ。最高。
そんな聴き方をしているのは私だけかもしれませんが、優れた音楽を聴くこととか、バイクで走ることとか、美しい文学に触れることというのは、どれも脳の同じところで感じている(処理している)ような気がします。
実際、バイクで走っていて、ふと昔の秀歌・秀句が頭をよぎることがあります。もちろん、音楽も。それはとても幸福な一瞬です。
話が少し逸れましたが、ウディの原曲はこちら。
Pastures of Plenty – Woody Guthrie
こちらはホンダのカブでトコトコと山道を越えてゆく感じでしょうか。
興味のある方は下記リンク先をご覧下さい。
歌詞・訳詞について
HOUSE CARPENTER
ウディ・ガスリー (Woody Guthrie) の来歴について
ウディ・ガスリー