中学受験生用国語教材の改訂作業

もう今年も始まって一月近くが経過したんですね。どうして時間はこんなに早く過ぎるのか。

” Time flies like an arrow. ” という英語のことわざがあります。直訳すると、「時間は矢のように飛ぶ」。普通の日本語にすると「光陰矢の如し」ということですね。

私が大学受験生だったころに使っていた英語の参考書(確か英作文の参考書)に、こんな感じの問題がありました。

「コンピュータに ” Time flies like an arrow. ” という英文を翻訳させると、『時蝿は矢を好む』という訳になってしまう。翻訳にはまだまだ人間の力が必要だ。」

確かに文法的にはおかしくない訳ですが、常識的には意味の分からない訳ですね(時蝿とは何ぞや)。しかし、コンピュータの翻訳が恐るべきレベルに到達しつつある現状を考えると、この問題自体の意味がよく分からないものになってしまっています。今どき、こんな定型文を訳せない機械翻訳もないでしょうから。英語の参考書や入試問題も、時代を反映するものなんですね。

松尾芭蕉が提唱した「不易流行(ふえきりゅうこう)」という言葉があります。解釈には色々な説がありますが、文学的な論争を避けて文字通りに解釈すると、「不変のものと変わりゆくものと」というような意味になります。

生徒達を教えていても、「絶対に伝えないとならない・いつの時代も変わらない部分」と、「今の時代に応じて教えておいたほうがよいと思われる部分」とがあります。前者だけではつまらないし、かといって後者に走りすぎても弱い授業になってしまう。

そんなわけで、中学受験生指導のためのテキストをより良いものにすべく、日々試行錯誤しています。

今年はかなり大幅リニューアルを施す予定でして、2月初日の新学年開始時には間に合いそうにありません。申し訳ないんですが、しばらくは指導用のプリントをお渡しし、完成次第そちらのテキストに移行していくという方向で考えております。

なかなか気の休まる暇もありませんが、受験生の学力をしっかり伸ばしてゆける教材を完成させるべく、頑張りたいと思います。