5月は少しぐらいなら暇もできるかと思っていたんですが、なかなかそうも行きませんでした。本当なら毎日でも好きな道を好きなバイクで好きなだけ走り回っていたいところなんですけどね。
忙しい時は隙間時間で楽しむしかありませんが、そんな時に最適なのはやっぱり音楽と読書。音楽は日常的に新しいものに触れておりまして、あれこれと考えることも多いジャンル。
塾においでになった保護者様に、「ブログを読ませてもらってます!」とおっしゃっていただくことがある、というかよくあります(恥ずかしいのでできれば触れないで欲しいのですが)。で、ある保護者様に「でも音楽の話はマニアックすぎてよく分かりません」と苦言(?)を呈されたことが(笑)。
私としてはYouTube再生回数数千万回以上とか、ヒットチャート10位以内といった条件を満たすような、つまり、かなりポピュラーな音楽しか取り上げていないつもりだったんですよね。文学で言えば、夏目漱石や森鴎外を取り上げているような感じ。
まあ、ポピュラー/マニアックの境界は人によってかなり差があるということなんでしょうが、それならもうめっちゃマニアックな音楽を取り上げてもいいかなとも思い始めて早数年。ライブの日程を電話で問い合わせたら、ミュージシャン本人が出てきて教えてくれたとか、ライブに行ったら観客数とミュージシャン数が同じぐらいだったとか、そういう音楽の話も書いていいかなと。
AppleMusicのプレイリストを見て、ここ2ヵ月ほどで強く深い感銘を受けた音楽を思い出してみると、次の通り。
Lady Aicha & Pisko Cranes Original Fulu Mziki of Kinsasha “N’Djila Wa Mudjimu”
明日の叙景『アイランド』
Connie Converse “How Sad, How Lovely”
October London “The Rebirth of Marvin”
知名定男『島唄百景1〜6』
Floating Points, Pharoah Sanders & The London Symphony Orchestra “Promises”
どれも飛び上がって喜びたくなるような音楽体験を与えてくれたんですが、YouTubeで再生回数を見ると数百回〜数千回、多くて数万回だけだったりします。勿体ない勿体ない、こんな音楽が埋もれているなんて。また気が向けば記事を書きます。
で、読書の方なんですが、前から読みたい読みたいと熱望していながらなかなか手を付けることが出来なかった本にようやく着手。劉慈欣『三体』です。
シリーズ全6巻はなかなかのボリューム。中国人作家による現今最高のSF超大作なんですが、こういうのって読み出すかどうかかなり迷うんですよね。面白かったら毎日睡眠時間を削る羽目になりますし、面白くなくても代金が10000円超だと読まないと勿体ない気がします。
1年以上前から読むつもりだったんですが、とりあえず第1巻だけを購入してみました。面白いはずなんだけど、もしあんまりだったら1巻だけで撤退しようという腹積もり。せこいけど(笑)。
結果、到着後速攻で読み終えました。予想を数倍上回る面白さ。ここまで面白い小説ってあんまり記憶にありません。休日の前日に読み始めたので、思わず徹夜に。もう読み始めて50ページぐらいのところで、残りの5冊分を注文してました。
宇宙文明、地球文明、数学、物理学、コンピュータ科学など多岐にわたる該博な知識がバックボーンにあるのは勿論ですが、とにかく読者を惹きつけるストーリー展開力が劉慈欣の持ち味。各界の知識人が絶賛するのも宜なるかな。
オバマ氏のエピソードがこの物語の面白さを証明していると思います。
オバマ元大統領は愛読書としてたびたび『三体』シリーズを挙げていました。そして、大統領だった当時、第三部の英訳の発売が迫る中、つい待ちきれず発売前の原稿を読ませてくれないか、と劉慈欣に何度もメールしたそう。しかし、彼はまさかホワイトハウスからメールが来るとは思わず、最初の二通のメールをスパムメールとしてゴミ箱に入れてしまったそう。結局、オバマ元大統領は、中国の外交部に依頼して劉氏と連絡をとってもらい、出版前の原稿を出版社からわざわざ取り寄せて読んだという逸話まであるのです。
【オバマもザッカーバーグもハマった】世界で累計2900万部のメガヒットSF『三体』から中国SFの魅力を徹底解説! | データで越境者に寄り添うメディア データのじかん より引用
ということで、私も第二部下巻を読んでいるところなんですが、もう最高すぎる!副代表に話す話題が『三体』ばっかりになってあきれられています(笑)。面白い小説を読みたい人でSF小説に違和感を持たない方には超々お薦めです(副代表はあまりSFを好まない)。中学生には難しいかもしれませんが、偏差値高めの高校生以上ならOKでしょう。
さ、続きを読まねば!