7月17日は小中学校の終業式。私たちにとっては、通知表・通知簿の評価が気になる頃です。
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毎日.jpに2009/07/16付けで、通知表に関する面白い記事が載っています。
「通知表:教師の『本音』は マイナスの言葉書けず」
「通知表所見欄に隠された秘密」というと大げさですが、通知表所見欄の裏事情が分かって面白い記事です。もちろん、私たち塾を運営する者からすると常識的な内容なんですが、保護者の方々には、少なからず役立つ記事なのではないかと思います。
(下記、前述の毎日.jp記事より引用)
教育関係者によると、児童・生徒に問題行動があってもソフトな言葉で表すようになってきたのは、個性を重視する教育が取り入れられた90年代以降だ。
通知表の所見の書き方については、教師向けのマニュアルも出版されている。教師のための情報を発信する「教心ネット」運営責任者で教育コンサルタントの伊藤敏雄さんは「マイナス面は書けないので、言い換えに多くの教師が悩んでいる」と指摘する。
伊藤さん自身も「書きかえたい言葉一覧、文例集」を作り、ネット上に公開している。例えば、授業中騒がしい子には<活発>や<元気>。口が悪い子には<自分の意見が言える>など=別表参照。最近では「学校での子どもの姿がわからない」という保護者たちが所見欄を「裏読み」するのにも活用されているという。
より具体的に、「教心ネット/通知表の所見欄に書きたいけど書けない(性格を表す)言葉を書きかえる一覧表」から引用してみましょう(文字の着色はブログ筆者による)。
左側が先生の所見、右側の赤字が通知表上の表現です。
短気な → 感受性豊か
落ち着きがない → 行動的な、好奇心旺盛な
軽々しい → 積極的、行動的な
反抗的な → 自分の意見が言える、自立した
不真面目な → 活動的、行動的
無責任な → こだわらない、とらわれない
このフィルターを通すと、
<教師の実感>
短気で落ち着きがない。軽々しく無責任な傾向がある。不真面目で反抗的である。
<通知表所見欄>
感受性豊かで好奇心旺盛である。行動的であり細かい点にとらわれない。活動的であり、積極的に自分の意見が言える。
ということになってしまいます(笑)。
これってどうなんでしょうね。個人的にはよくない風潮だと思います。私も子を持つ親、子供が褒められれば嬉しいのはよく分かります。しかし、改善すべき点をはっきり指摘される方が、ずっとずっと有り難い。
通知表上で、こういった妙な解釈の必要な表現をされては、子供の改善すべき点が見過ごされてしまう危険性が高いですよね。学校の先生からすれば、いわゆる「モンスターペアレンツ」からややこしいクレームをつけられたくないという気持ちが強いんでしょうが、やはりここは改善すべき点をズバッと直言して欲しいところです。
当塾では、できる限り正直・率直に、改善すべき所をお伝えすることが責務だと考えており、実際にそうしています。もちろん、「よくできましたね~」と甘い言葉ばかり並べる方が塾の営業的にはよいのかもしれませんが、長い目で見たとき、塾生のためになりません。注意すべき時は、適切な分かりやすい表現で注意するのが、塾としての務めだと考えます。(もちろん、褒めるべき所はちゃんと褒めていますよ。念のため。)
通知表所見欄にはお気をつけ下さい。