誠実な音楽家

ここ数日、集中的に聴いていた日本の音楽。

人間椅子。青森県出身のドゥーム・メタル・プログレバンドと説明すればいいでしょうか。

イースタン・ユース。轟音ハードコア・エモパンクバンド。

宮本浩次『Romance』。エレファントカシマシのヴォーカリスト。男臭い人なんですが、アルバム全曲が女性シンガーの曲のカバー。

どれも心を震わせられる音楽なんですが、共通点は何なのかと自問自答。分かった、なんでこの人達の音楽が好きなのかが。

みんな誠実なんですよね、自分に。音楽に。

本当に自分の好きな音楽を真剣に作り演奏し歌っている。流行って何?そんなの全く関係ない。ただ大好きだからやってるだけ。彼らの音楽そのものも勿論好きなんですが、それと共にこうした誠実な姿勢に強い共感を覚えているんでしょうね。

人間椅子のメンバーが、メジャー契約を失ってから23年間も郵便配達をしながら音楽を続けていた話とか、エレカシが売れなくなった頃、格下のバンドに軽視されながらも地道に小さなライブハウスで演奏していた話とか、単純なのかもしれませんが、胸を打たれてしまいます。

くさらずめげず、ひたすらに自分の信じた道を歩む音楽家はやっぱり格好いいですよね。流行や儲かりそうなところだけをうまく掬ってゆくミュージシャンも多いですが、何というのかその薄っぺらいところがどうしても音楽に出てしまいます。

私は演奏はからっきし駄目ですが(笑)、年季の入った聴き巧者であることだけは自負しておりまして(幼い頃から音楽を聴いて色々考えるのが大好きだったのです)、考えてみると、誠実さが音楽から読み取れるミュージシャンはどんなスタイルの音楽であれ、大好きになることが多いですね。

イースタン・ユースの話は以前少し触れたことがあるので、人間椅子や宮本浩次の話をまた国語にからめて(ちょっとこじつけですが……)書いてみたいと思っています。

エレファントカシマシ / 悲しみの果て

分かりにくい頃のエレカシも好きですが、分かりやすくなってからの曲もいい。男性が女性に贈るラブソングとして、RCサクセションの『君が僕を知ってる』と双璧をなす名曲だと思っています。