吉野寿(イースタンユース)『ナニクソ節』

私の敬愛するミュージシャン、吉野寿(bedside yoshino)ソロ名義の新曲『ナニクソ節』が3月19日、YouTubeで公開されました。大震災の前から制作されていた歌だと思いますが、被災した地方のことを思うと胸が熱くなります。(追記:震災後に作られた歌のようです、すみません。)

好みの分かれるミュージシャンだと思いますが、あえてご紹介。もし気に入られたら、あとの記事もご覧下さい。

bedside yoshino 『ナニクソ節』

イースタンユース(eastern youth)というバンドがあります。「東京らしい音」を挙げろと言われれば、私の場合、真っ先に思いつくバンドなんですが、WikiPediaを見てみると、パンク・ロック/ハードコア・パンク/エモーショナル・ハードコアに分類されています。ま、ジャンルはどうでも構いません。激情的な轟音ロックだと考えて頂ければ間違いないかと思います。

私にとっては、種田山頭火(自由律俳句を詠んだ俳人)がエレキギターを轟音でかき鳴らして絶叫しているイメージのバンドでもあります。尾崎放哉?ちょっとイメージが違う。やっぱり山頭火。

話は少しそれますが、私は3ピースバンドが大好きです。3人が最大限の力を発揮して起こす化学反応。誰か一人抜けても成立し得ないシンプルなバランス。国内だと、ブランキージェットシティ、ゆらゆら帝国、フィッシュマンズなんかが思い浮かびます。最近では、ザ50回転ズなんかがいいですね。そして、このイースタンユースも3ピースバンドです。

吉野寿は、イースタンユースのギター&ボイス(ヴォーカル)担当。堅い文語的表現を激情ボイスに乗せる独特の歌唱を、私が初めて聴いたのは、『孤立無援の花』(1997年)というメジャー契約直前のアルバムでした。

その頃から今に至るまで、彼に、上手く歌おう・格好良く歌おうなんて気持ちはないでしょう。さらさらない(笑)。しかし、伝えたいメッセージを全力で叫び歌うという姿勢が、私の胸を打ちます。

少し前、心筋梗塞で緊急手術を受けられたそうなんですが、それが、曲作りに反映して、さらに凄みを増している気すらします。詩的な表現をするならば、彼の魂の風は高い場所を吹いている。その点において、若い頃のボブ・ディランに似た手触りを感じます。

風貌もロッカー然とはしておらず(失礼)、理学部の大学院生?助手?と思わせるような感じなんですが、それがまた良い。私としては、是非一度ライブを見てみたいんですが、未だその機会に恵まれていません。身体を大切にして、長く活動していただきたい人であります。

いくつかの曲をご紹介しておきましょう。

【MV】沸点36℃ - eastern youth

「人はみないつかこの世を去る。それならば、体温36度を沸点と思い定めて、沸騰するがごとく生きろ。」そういうメッセージなのだと思います。息子とよく聴く曲。

Eastern Youth – Kakato Naru (踵鳴る)

静と動のコントラスト。