前回記事の続きです。
滋賀県の「太郎坊阿賀神社」に参詣してきました。
上掲のコミックを読んで以来、なんとなく天狗のことが気になって色々調べていました。ここ関西でもっとも有名な天狗スポットといえば、言うまでもなく「鞍馬山」。源義経が幼少期を天狗とともに過ごしたという伝説のある地です。
でもちょっと待てよ、以前から気になっていて近々出かけようと思っていた「太郎坊宮」って、良く考えてみると天狗と縁が深い神社だよな……名前からして。
上掲の岩本ナオ『町でうわさの天狗の子』の主人公、秋姫は天狗界関係者からは「太郎坊」と呼ばれていますし、その他の弟子たちも弟子入りした順に「次郎坊、三郎坊、四郎坊……」というふうに呼ばれています。
調べてみるとやはりこの阿賀神社、天狗と浅からぬ縁がある神社なのでした。私がこの神社を知ったのは、ある観光パンフレット。巨岩が二つに割れていて、その隙間を通り抜けることができるという話だったんですが、その写真にある岩の神さび具合が素晴らしかったんですよね。
自宅から100km程度で(私にとっては)結構近所なので、近いうちに訪ねてみようと思っていたのでした。仕事のある日でも、午前が空いていれば余裕で行けるはずなんですが、いつもの如く、なかなか時間が空けられない。で、お盆の頃、家族で滋賀県に出かけた際に、「太郎坊宮」に立ち寄ることと相成ったのでした。
その日は時間があったので、湖北の方を大回り。普段はこういう感じのところをバイクで走っているんですが、一人で走っているとなかなか自分自身を撮影する機会ってないんですよね。たまにiPhoneで写真を撮っても景色かバイクばっかり。
そうだ、こういう景色をバックに写真を撮ってもらおう!ということで、道端に車を停め、妻にとってもらった写真。たまには筆者近影ということで(笑)。私側からも車内の家族をパチリ。休みとあってみんな穏やかな笑顔です。
そこから琵琶湖沿いに南下して太郎坊宮のある東近江市へ。神社は山の中腹にありますので、参道が長い階段になっているんですが、これがなかなかハードな参道らしい。私は一番最初から(ふもとから)参道を上りたかったんですが、妻や母に難色を示されました。で、おとなしくもう少し上の方にある駐車場に停車。そこからでも結構ハードな階段が待ち受けています。
「これぐらいだったら走って上がろうぜ!」と息子に呼びかけるも無言……。幸い境内にはほとんど誰もいませんでしたので、私一人で先に長い石段を駆け登って皆を待機します。上りきったあたりは東近江市が一望できる最高の眺め。風も涼しく、とてもいい気分です。
だいたい、太郎坊様って、元はと言えば修業を積みに積んだ人間です。ヒーコラ言いながら上がってくる人間よりも、オラオラと駆け上がってくる人の方を贔屓すると思うんですよね。「うむ、こやつなかなか元気な奴よ。願いを聞いてつかわそうか」みたいな。後から上ってきた家族に「元気やな〜」と言われますが、普段からの節制と鍛練が違うのじゃ。
で、先述した二つに割れた巨岩(夫婦岩)の隙間を皆で通り抜けてみました。すごい圧迫感!でも面白い!これが天井まで閉ざされた空間なら閉所恐怖症の私には「ちょっとムリ」な場所になるんですが、ここは何か快適ですらある空間です。パワースポットと称されるだけはあります。
「良い心の持ち主が願い事を念じて岩の間を通ると、願い事が叶うが、悪い心の持ち主が通ると、岩にはさまれてしまう。」との事なんですが、なんとか挟まれずに済みました。楽しくて何回も往復してしまった(笑)。
社殿に祀られている神様は、「正哉吾勝勝速日天忍穂耳尊(まさかあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと)」様。ちょっと舌を噛みそうですね。文字通り「勝運授福」の神様とのことなんですが、塾にはぴったりですよね。受験生にも勝ってもらいたいし、私たちも色々なことに打ち勝たないとなりませんから。
お札をいただいて、参道を下ってきたところに天狗の像がありました。何やら石の球を抱えていらっしゃるので、撫でながら説明を読むと、撫でた手で痛いところや患部を触ると、快癒するとの由。
さて、自分の身体のどこを撫でようかと考えてみましたが、特に病気もなく、痛いところもない健康体です。よく考えてみると、こうやって健康に楽しく暮らせていることは本当にありがたいこと。ごく自然に、健康であることに感謝しないといけないなという気持ちになりました。いつまで健康体でいられるかは分かりませんが、これからも節制しないと。
来世は頑張って天狗になろうかな……(笑)。
※ ご興味をお持ちの方へ。下記がとても分かりやすいガイドになっています。