五月の『青すぎる空』・イースタンユースのこと

さて、今日から5月。GWということで、授業の方はしばらくお休みをいただいております。といっても、溜まった雑務をこなさねばならないんですが……。

私は音楽が趣味でして、日々音楽に触れているのはもちろん、ライブで音楽に触れるのも大好き。ここ暫くのコロナ禍は音楽業界、とりわけ「ライブ」を直撃し、ミュージシャン達を大いに苦しめましたが、一リスナーたる私にも結構辛いものがありました。

授業ならばともかく、音楽ですからね……。やっぱり直接にしか感じられないものがあります。死ぬまでに何回ライブを見られるのか分かりませんが、貴重な機会を奪われたことは間違いありません。

去年はようやくいくつかのライブを見ることができました。もちろん、払い戻しの憂き目を見たライブもありましたが(ミュージシャン達にも本当に苦痛だったはず)、コロナの波が少々引いたタイミングを見計らって開催されたライブは、本当に有り難く感じられました。

苦境の中、音楽を続けてくれている音楽家達に心から感謝しつつ、「ありがてぇ、ありがてぇ、なんまんだぶ、なんまんだぶ」と手を擦りあわせました。いや、本当にそうするわけではなく、そういう気持ちでいたということですけれど。観客数を大幅に制限し、感染拡大防止に最大限気を遣うライブは、収入面でも心理面でも大変でしょうが、観客側としてもできるだけ応援したいという気にさせられました。

昨年2021年に見ることができたのは、「CHAI」「NumberGirl」「矢野顕子」。いずれも念願叶っての初ライブでした。それぞれのライブについて書き始めると、とめどなく話があふれ出てくるので最小限に止めておきます。

「CHAI」は2021年度のアルバム『WINK』が宮田塾音楽大賞を受賞しておりまして(笑)、個人的な超ヘビーローテーションアルバム。ライブでは彼女達の才能に惚れ惚れしました。今年2022年はNHKTVドラマの主題歌に選ばれたり、全米ツアーが成功裏に終わったりで、ファンとしては応援し甲斐があります。

「NumberGirl」は凄まじい音の塊がたまりませんでした。このバンドはやっぱり生で見て聞かないと分からない。時速200kmオーバーで風を切る感じというか。いや、公道でそんなことをしたことはありませんけれど。

「矢野顕子」は昔から大好きなアーティストですが、昨年のライブが初体験。天才オブ天才オブ天才。妻も私も脱帽。生『ひとつだけ』生『ラーメン食べたい』に感涙しました。


で、今年2022年初のライブは念願だった「イースタンユース」。会場は京都「磔磔(たくたく)」。磔磔に来るの何年ぶりだろう。懐かしすぎ。本当にいい小屋です。ライブももちろん最高オブ最高でした。吉野寿さんのポロポロ喋るMCも楽しく、実は今日の記事の本題はここから。「イースタンユース」は結成30年以上のバンドだと思って読んで下さい。

吉野さん曰く、「俺達を見て『あいつらも何か年取ったな』って思ってるでしょ。でも、それはお前等も同じ。みんな年取るんだからさ〜、自分だけ年取らないなんてね〜から。」場内爆笑。

「でもね、本当にウチのバンドは客筋がいいんだ。いい客筋に恵まれてやって来たよ。」メンバーも観客もにっこり。

うんうん、この気持ち、当塾も全く同じなんですよね。

当塾も「結成」20周年なので、自分ではあまり気づかなくとも、それだけ加齢しているはず。肉体労働ではないので身体にこたえるなんてことはまだありませんが、健康には気をつかわないとなりません。

「客筋」、塾では「生徒さん・保護者様」ということになりますが、私たちが20年やってこられたのは、やはり「いい客筋」つまり「良質な生徒さん・保護者様」のおかげだと思います。この件は自分達の努力の外にあるような、自分達の努力の内にあるような、よく分からない気持ちになるんですが、心から感謝していることに変わりはありません。吉野さんも同じ気持ちなんだと知って、嬉しかったな。

昔の映像を上げようかとも思いましたが、最近のライブ映像を。

『青すぎる空』
作詞・作曲:吉野寿

あの人が
あの雲の彼方で
呼んでいる様な
そんな気がして
足を止めるよ

あの人が
あのビルの彼方で
待っている様な
そんな気がして
足を止めるよ

絶え間無く震える現身は
幻の誰ぞや夢む

かかる暮らしの味気無さ

この曲を聴くと、もう今は会うことの叶わない人達の顔を思います。
ライブでもやっぱり涙が抑えられませんでした。

青すぎる空の広がる五月も頑張っていきたいと思います。

eastern youth – 青すぎる空 @ 森、道、市場 2019