パヴェーゼの気持ちが少し分かる

私には日記を付けるという習慣はありません。幼い頃に学校で強制的に書かされたことはありますが、どうも楽しくない。文章を書くのは嫌いではないけれど、それが強制され義務となってしまうと、一気に面白くなくなってしまう。まあ、私が天の邪鬼なだけなのかもしれませんが。

ブログに関しても、毎日更新とか毎週更新とか、定期的に更新する方がよいという話もあるんですが、どうも性に合いません。好きな時に書きたいことを書くという方がいい。勉強や受験に関することもたまには書かないと怒られそうですけれど。

たまに、このブログの記事をランダムに読み返してみると、「へぇ〜、そうなんだ」と思う事があったりします。自分で書いておいて、「へぇ〜」もへったくれもありませんが、昔の自分は一種の他人ですからね。新たに気の付いた点を追記したり、まちがっている点を改訂したりすることもあります。

チェーザレ・パヴェーゼというイタリアの作家がいます。彼は生涯にわたって日記を記し、それを何度も何度も読み返していたらしい(流刑の憂き目に遭ったことも関係しているのかも)。そして、日記の日付の出来事とはほとんど無縁の新しい事柄を執拗に書き足していったらしい。

その話を初めて聞いたとき、パヴェーゼに少し偏執狂的なものを感じてぞっとしたんですが、ブログを運営し始めると、何となく理解できなくもない。日記帳の場合、物理的にスペースが限られていますから、追記にも限界がありますが、ブログやウェブサイトの場合、追記に事実上制限がないのみならず、追記行為が推奨されるわけですから(より新鮮で正確な情報が評価される)。

ブログに追記や改訂を加える度に、パヴェーゼを笑えないなと思う次第。