4月20日現在、気になるのはやはり熊本のことです。
実は1年半ほど前、息子と二人で熊本・大分の旅をしてきました。我が家では、息子と私の二人で出かける旅を「男旅」と称しており、とても大きなイベントとなっています。
昨年の男旅は青森県の津軽半島。本州の最果て大間崎でマグロを食べて、ブラキストン線を眺めるという旅でした。東京を間に挟んだ道中が面白すぎて、未だに息子との間で語りぐさになっている旅です。
熊本・大分→高知→しまなみ海道→広島というルートを辿ったのは、一昨年の男旅。早朝(というか深夜)に大阪を出発し、山陽自動車道・九州自動車道で一路熊本へ。
ちなみに私はバイク乗り、かつ、長距離移動大好き野郎なので、自動車で青森やら熊本やらまで移動するぐらいのことは朝飯前です。自動車の快適度・楽ちん度はバイクの20倍ぐらいありますから(でもバイクの方が何千倍も好き)。
閑話休題、熊本ICを出て、阿蘇山近くで昼食を取った覚えがあるので、阿蘇山に車で入ったのは昼過ぎだったはず。
九州自動車道を降りて阿蘇山に向かう場合、国道57号線を東進することになります。このR57が阿蘇山の外縁道路にぶつかるところが「阿蘇大橋」。
先日のニュースで映像を見て唖然としました。息子と渡ったあの橋が跡形もなく消えています。土砂に押し流され、「ト」の字型の結節点が完全に消失している。息子も同じ映像を見て慄然としていました。先程見た報道によると、大学生がこの橋の崩落に巻き込まれた可能性が高いとの事。ご本人やご家族のことを考えると胸が痛みます。
土砂崩れで阿蘇大橋崩落 熊本、全半壊1700棟超-ドローン撮影
楽しかった草千里や阿蘇から大分への道のりも、今はどうなっていることか。先の東日本大震災の頃、息子はまだ幼稚園児でしたので、リアルな問題として地震をとらえることは出来なかったはずですが、今回は事情が異なります。よほどインパクトがあったのでしょう、自分が1年半ほど前に訪れた地、美しくて感動したあの村はどうなっているのか。何名もの人が犠牲になっているはずだが、救助はどうなっているのか。私に色々と尋ねてきます。
もちろん、私もわかるはずがありません。何かしなくてよいのか、僕にも何かできるのかと聞いてくる息子に、こう答えました。
大阪に住まう素人の私達ができることは少ない。特に今は何もできないと言っていいと思う。でも、少し時間が経てば、ほんの少しだけだけど、手伝えることが出来てくるはず。その時はお前にも声を掛けるから、それまで待っておきなよ。現地に出かけて活動に参加するのも尊いことだけど、毎日の生活をちゃんと続けることも大切なんだよ。今は被災地の人の悲しみを忘れないようにしたらいい。大阪で暮らしてても、復興を何らかの形で手伝うということはいくらでもできると思うよ。
息子なりに何やら納得した様子でした。もしこの地震が1年半前の旅行の日に、橋を渡っている時に起こっていたら。そんな思いがあるせいか、今度の地震は息子にとって大きな衝撃なのでしょう。
親子共々、一日も早い地震の終息を願っています。