塾として考える

最近、受験国語専門部門について、お問い合わせを頂戴することが多いんですが、定員満了でお断りするケースがほとんどです。

せっかく当塾にご興味をお持ちいただき、ご連絡まで頂きながら、ご希望にそえず、まことに心苦しい思いで一杯です。毎日のように、お問い合わせを頂き、毎日のようにお断りする……。うむむ……。これって、塾としてどうよ?と自問してしまいます。

規模を拡大すればよいのかもしれませんが(実際そうしたご要望も頂きます)、「規模の大きさ」と「指導のきめ細かさ」は、まず間違いなく反比例します。塾の規模が大きくなればなるほど、指導は行き届かなくなるわけです。言い換えれば、授業を人任せにし、省力化せざるを得ない範囲が増えてくる。少なくとも、私が直接に指導する範囲は狭まってくると思います。

これは、やはり、塾として本末転倒でしょう。

逆に考えれば、指導のきめ細かさを捨てるからこそ、塾を大規模化できるわけですが、そこに当塾の進むべき道はないと考えています。

人を雇うにしても、指導力のある講師の数はとても少ないわけで、結局は、人件費の安い大学生のバイト講師を使っている塾が多いように思います。もちろん、意欲的な大学生も中にはいると思うんですが、普通は自分の学業や就活が優先になりますよね(大学生からすると無理はないと思う)。もちろん、そうした塾において、講師が大学生であることは極秘事項です(笑)。

場合によっては、コンピュータが講師役を果たしたりなんていう話も聞くんですが、何か悪い冗談なのかと思ってしまいます。それって塾に行かずとも、家でパソコンソフトを買えば十分なのでは?

有り難いことに、当塾がまがりなりにも10年近く生きながらえてきたのも、変に大規模化・省力化しようとしなかったところ、あくまで人力(2馬力ならぬ2人力です)でやってきたところにあるのではないかと自己分析しています。とすれば、大規模化を目指すことは、当塾の立ち位置を自ら掘り崩していくことに他なりません。

当塾が運営面で目指しているのは、「大規模化」ではなく、「長期安定化」です。それが私たちにとっても有り難いことですし、通塾して下さるユーザー(つまり生徒さんや保護者さん)の利益にもかなうと思うのです。

とすれば、当塾の進むべき道は一つ。指導力をさらに磨いてゆきレベルアップしてゆくことです。


もちろん、「経営学」的には、大規模化・省力化を目指す塾があってもよいと思います。マクドナルドやガストのように。実際、私も、時にはそれらの店を利用するわけです。

でも、やはり、マニュアル通りに運営されている大型ファミレスより、一品一品の料理を丁寧に作っているレストランの方が、私は好みです。え?食に疎いお前が言っても説得力ゼロですって?ごもっとも。ま、ここは比喩ということでご寛恕を(笑)。


今後、当塾しては、より積極的に難関大学や難関中学高校を目指す生徒の手助けができればと考えています。いただくご要望の大部分がそうしたご要望である以上、当塾としても誠実にそれに対応してゆくべきではないかと。

具体的には、難関中学受験指導は当然のこととして、難関大学受験レベルで「現代文」「古文」「漢文」という国語の全領域&「小論文」を、代表者が責任を持って指導するという方向性を鮮明に打ち出してゆこうと思っています。