「カラスの早起き、スズメの寝坊」#2

あと二つほど面白かった部分をご紹介します。

(春はモズの恋の季節だという話を受けて(ブログ作成者注))
「しかし、多くの小鳥はこういう場合、メスが首をすくめ腰を落として翼を小刻みにふるわせながら、ヒナ鳥が餌をねだるのと同じような声とジェスチュアでオスに媚びるものである。
子供は本来、どこの世界でも可愛いものである。この餌ねだり行動を見せつけられたオスは、子供のような可愛らしさに惹かれて思わず気持ちがなごみ、本能的に餌を与えようとする。」
<同書「モズの恋」より引用>

女性が「わたしぃ、何だかこれ欲しいナァ~」とブリブリカワイコぶって上目遣いで言うと、男性は「ふふ、しようのないヤツだな」と鼻の下を伸ばして買ってやる、という構図なんですね。
やっぱり、鳥の世界でも女性の方が賢いようです。男性は(私も含めて)やっぱりアホなんですね(笑)。

(クジャクのオスがその美しい羽毛でメスの歓心を買おうとする話を受けて(ブログ作成者注))
「だから、男子生徒が中学も三年や高校生になると、なかには髪を金髪に染め、耳朶に穴を穿って巨大なピアスをつけ、ヤニを噛んで(タバコを吸って)、両手をポケットに突っ込んだまま、背を丸め、顔を突き出して闊歩する輩が出るようになる。まさにクジャクが上尾筒を広げてコートシップ・ディスプレイをしているのと全く同じなのである。
(中略)
非行少年と呼ばれる子どもたちは、学校が理想像と描く生徒とは程遠い立場にいる。そのために学校内では、正当派から絶えずスポイルされ「立つ瀬」がない。勉強が良く出来、スポーツが得意で、スタイルが良ければ、級友のみならず、学校全体から注目され、賞賛的にその存在を認められる。
(中略)
しかし非行少年は違う。学校で認められようとすれば、嫌いでいきおい不得意な勉強やスポーツ以外の分野で、しかも積極的に自己顕示をしなければならない。これは繁殖期のオスのクジャクが置かれた立場と同じである。クジャクの世界には、学校のような機構もシステムもないからである。
(中略)
ツッパリ少年は、年中尾羽を広げて、異性の注目と賞賛を求めつつ、空振りに終わる「尾羽打ち枯らした」クジャクに似て哀れではないか!」
<同書「ツッパリの原点」から引用>

なんだか、非行少年に同情しているのか、けなしているのかよく分からない文章であります(笑)。ただ、「非行少年もそれなりに大変なんだ」ということはよく分かりますよね。

確かに、何か外見を取り繕う自己顕示には、「弱さを覆い隠したい」という気持ちがあるんでしょうね。画家でも、いかにも「アーティスト」然とした格好をしている人は、たいてい大したことが無く、実力のある画家は、逆にごくごく普通の格好をしている、と読んだことがあります。

まぁ、鳥も人間も、なかなか楽ではないようです。