「(狭義の)幼児教育」なんて無駄だったね、お金と時間を損してしまったね、という風に笑い話で終わればどうということもないんですが、それに止まらず、子供に取り返しの付かない悪影響を及ぼしていたとしたら…。
私が恐れるのはそこなんですよね。
幼児教室でしかり飛ばされて、「学習」=「強制的にさせられるもの」と恐怖心とともに刷り込まれていたら…。
幼児教室で必要以上に褒めちぎられて、妙な全能感(ぼくって天才!なんでもできる!)を刷り込まれていたら…。
本当に腰を据えて学習に取り組まねばならなくなったとき、こうした感情は、大きな阻害要因になってしまいます。おそらく取り除くのに多大な時間を要することになるでしょう。場合によっては、除去できないまま大人になってしまうかもしれない。
こうしたことを何も考えずに、幼児教育、幼児教育、と唱えている人(会社)は、ちょっと胸に手を当ててみて欲しいところです。
もっと実際的な面からいうと、知的レベルの高いとされる、いわゆる名門校の生徒達が、本当に幼児(早期)教育を受けてきたのか、ということを調べてもらうといいと思います。
少なくとも私の知る限りでは、そうした生徒は皆無に等しいです。事実は広告より雄弁だと思うんですが、いかがでしょうか。
もちろん、広い意味での幼児教育(つまり、親が幼児の側について遊びを見てやるとか、お話をしてあげるといったレベル)は大いに奨励されるべきだと思います。そういう意味では私自身も「教育熱心」な方だという自負があります(笑)。