まさか本当に東京オリンピックが開催されるとは思いませんでした。コロナ禍の最中に不要不急のスポーツ大会を行う……。スポーツが不要不急だと言うと怒られるかもしれませんが、スポーツをしなければ今すぐ死ぬというわけでなし、やっぱり不要不急でしょう。少しでも感染を防ごうと今まで真剣に協力してきた人々の気持ちは、完全に踏みにじられたと思います。
この東京オリンピックを一番象徴しているなと思ったのは、2021年5月下旬に報じられた IOC最古参委員の言葉です。
「菅首相が中止を求めても、大会は開催される。」
https://news.yahoo.co.jp/articles/b6da971d6c93f9884a70bcef4929d1fe06955b34
この言葉、本当に現代オリンピックの真髄を表していると思います。
ちょっと大きい話になりますが、我が国は議院内閣制を採用していますから、総理大臣は私たちの選んだ国会議員が選任します。つまり、菅首相は好むと好まざると、私たち国民が(間接的ながらも)民主的な過程を通じて選んだ人間だと言えます。
一方IOC(国際オリンピック委員会)の委員、選挙に参加された方はいっらっしゃるでしょうか?いないですよね(笑)。IOC委員は、日本国民の民主的コントロール下には全くないわけです。
そのIOC委員が我が国首相の中止要請を「完全無視」すると断言するわけですから、オリンピックは日本の民主主義よりも優先すると堂々と断言していることに他なりません。
もっと扇情的に言い換えれば、「オリンピック貴族>日本国民なんだからつべこべ言うな」ということですよね。私が非常に残念に思うのは、日本政府筋がこの意見に猛烈に抗議しなかったことです。これ、政治的立場が右であれ左であれ、等しく激怒すべきところだと思うんですよね。少なくとも私は日本国民として完全に蔑視されていると感じました。
オリンピック委員会という組織が金と権力にまみれて腐臭を放っているのは今に始まったことではありません。まともに物事を考えられる人なら、そんな事は高校生ぐらいで気づくことです。ですから、今更オリンピックに対して憤りを感じているわけではありません。
私が憤りを感じるのは、日本国民が蔑視されているのに、「えへへ」と笑ってごまかしている(ように見える)要路の人達です。
この体質、コーネリアス小山田圭吾の辞任事件とつながっているように思うんですが、いかがでしょうか。昔からコーネリアスを1ミリたりとも評価してこなかった私からすると、今回の辞任は当然至極なんですけどね。
また時間があれば、音楽好きの観点から見た今回の騒動についても書いてみたいと思います。塾とは関係のない話ですみません(笑)。
もちろん、真剣にトレーニングを積んできた選手達にはその実力を発揮してもらいたいとは思っていますが、「オリンピック委員会や甘い汁に群がる輩がいかにおかしいか」を日本国民に広く知らしめたことこそが、今回の東京オリンピックの最大の功績だと考えています。