中学入試国語 敬語問題・不思議な選択肢

敬語は、中学入試国語でよく問われるジャンルですが、理論的に考えるとなかなか難しい分野でもあります。

<参考記事>

中学入試国語 敬語の問題 #1

中学入試国語 敬語の問題 #2 (灘中学編)

中学入試国語 敬語の問題 #3 (西大和学園中学編)

ただ、中学入試のレベルでは、日常会話において自然な敬語が使えるか否かが聞かれるに止まります。したがって、ご家庭できちんとした敬語を使うようにしていれば、それほど対処に頭を悩ませるものではないとも言えます。子どもは親の言葉を真似るわけですから。

入試問題から伺える中学校側の言い分を(勝手に)代弁すると、「敬語も使えないような家庭の子どもには入学してもらいたくない」ということなんでしょう。


よくある問題を例に出してみましょう。次の文章を正しい敬語に直しなさいというパターンの問題です。

高名な先生が中学生用の教科書を書いた。

 1.お書きになった。
 2.お書き申し上げた。
 3.お書きされた。
 4.書いたよ。

もちろん、正解は1です。1だけが尊敬語になっていて、2は謙譲語、3は謙譲語と尊敬語の混同という風になっています。

で、よく見る選択肢が4のようなパターン。敬語でも何でもない、ただのタメ口です。選ぶ受験生はあまりいないんじゃないかと思うんですが、学校・問題集によっては選択肢として入れてくる。

私はこれを「ローラの選択肢」と呼んでいるんですが、TV番組内では別論、国語入試上これが正解になることはあり得ません。出題者側は、敬語を全く使わないような家庭の子どもを落とそうとしているのではなかろうかと邪推しています(笑)。いや、ローラはいいんですよ、そういうキャラですから。受験生は真似ないようにということです。

逆に敬語をタメ口にする問題を出す学校があれば面白いんですけどね。

社長が我が家までおいでになった。
  ↓
社長が我が家まできたよ(ウフフ)。

社長が夕食を召し上がった。
  ↓
社長が夕食を食べたよ(ハート)。

社長のお召しになっているスーツは高級品だ。
  ↓
社長の着ているスーツは高級品だよ(キュン)。

これはこれで、敬語を理解していないと解けない問題ですから、いいんじゃなかろうか。文末に付ける絵文字のセンスで合否が決まるんだから、きっちり絵文字を覚えておくように!(真に受けないようにお願いします。)