ブログを運営していると、時に素晴らしい出会いがあります。今年最後は、本当にブログを始めて良かったと感じたエピソードをご紹介したいと思います。
以前、このブログで『小さな数学塾のヒミツ』という書籍を紹介したことがあります。とても面白く為になる塾関連の書籍です。関連エントリーでも書きましたが、塾関連の本ってあまり面白いものがありません。ただの宣伝だったり、不必要なまでに扇情的だったり。その中でこの『小さな数学塾のヒミツ』はきらりと光り輝いています。
『小さな数学塾のヒミツ』#1:国語塾・宮田塾のブログ
『小さな数学塾のヒミツ』#2:国語塾・宮田塾のブログ
上記エントリーを書いたのが8月末のこと。
その10日ほど後、一通の手紙が当塾に舞い込みました。差出人を見ると、なんと稲荷塾の稲荷誠先生ご本人です!つたないブログでご著書を取り上げたことで、ご気分を損ねてしまったのだろうかと、ちょっとドキドキしながら開封したのでした。
有り難いことに、書かれていたのはブログ記事に関するご感謝の言葉でして、胸をなで下ろしました(笑)。それのみならず、当塾のブログやウェブサイトをご覧頂き、ご興味を持っていただいたとの由。是非、時間を作って会いましょうというお話も頂戴したのでした。
願ってもない話ですので、すぐにメールにて返信。概要、こんなことをお伝えしました。
『小さな数学塾のヒミツ』読了後、気になって稲荷塾のウェブサイトを拝見したこと。(大変僭越ながら)いい意味でアットホームな塾だと感じたこと。ハイレベルな塾・予備校は、意外にアットホームなムードであることが多いこと(アットホームなムードが生徒をリラックスさせ、その能力をより引き出す)。稲荷塾はその好例であるように思うこと。
国語教育についてもお触れになっていたので、こんな風に考えをお伝えしました。以下、私が出したメールからの引用。
個人的な意見ですが、国語教育とは、本来、幼い頃から「ことば」に真摯に向き合い、生活の中での「ことば」を大切にするところから始まるのだと思います。国語力形成の上で最も重要なのは、家族の力なのではないか、それを教師が乗り越えるのは並大抵のことではないのではないか、とも考えています。
(そういえば藤原先生のご両親は作家でした。)私にできるのは「受験指導」であって、それ以上でもそれ以下でもない、国語の根本はあなたの人生・生活そのものなんですよ、というエクスキューズも込めて(?)、「受験国語専門塾」と名乗っている次第です。「信念をもって実践されて来た」とおっしゃって頂き、身が縮こまる思いが致します。
(注:「藤原先生」とは、藤原正彦氏のことです。書籍『祖国とは国語』(国語教育絶対論)の話を踏まえています。)
折悪しく、今年の9月は当塾が面談に忙殺されている時期でしたので、直接お会いできるのは10月になったのでした。当初、私の方から京都まで出向くつもりで、何度も当方からお訪ねすることを申し出たのですが、自分から言い出した話だということで、わざわざ稲荷先生が当塾までおいでになることになりました(遠路をありがとうございました)。
当日、JR玉造駅までお迎えに上がったんですが、早めに到着なさっていた稲荷先生、初対面ですが一目で分かりました。何故と言うに、物腰の柔らかそうな知的な雰囲気の方が、明るい笑顔で立っていらっしゃったからです。
宮田塾の小さな教室で、副代表(妻ともいいます)も交えて、色々お話をさせていただいたんですが、以前からお付き合いさせていただいているような打ち解けた雰囲気で、とても楽しい一時を過ごしました。
塾の話、生徒の話、子育ての話、大学の話、将棋の話、ちょっとオフレコな話などなど、時間が経つのを忘れるほど。
稲荷先生は、私のアホな話にもじっと耳を傾けて下さり、とても聞き上手な方だと思います(「聞き上手」というのは人を教える者に必要な性質だと思う)。ご著書を読んで、少し押しの強いタイプの方なのだろうか、と想像していましたが(すみません)、とんでもない。本当に温和な方で、「人の気を引き付ける」という表現がぴったり。こういう先生に習える生徒さんは幸せだと思います。
後日、稲荷先生からは、「もっと堅いタイプをイメージしていたが、思っていたよりずっと話しやすい人で楽しかった」というメールを頂戴しました。私、ウェブサイトやブログでは堅く見えるんでしょうか……。正体は、どっちかというと、柔らかいほうかと……(苦笑)。
なお、ご著書『小さな数学塾のヒミツ』を頂戴しましたので、教室書架に置いてあります。塾生保護者様にはお貸し致しますので、ご興味のある方はお気軽にお申し付け下さい。ただ、ご購入いただいても決して損のない書であります。私が保証致します。
<付記>
「稲荷塾」というキーワードで検索していらっしゃった方へ
仕事柄、「どこか良い塾はないか」という質問を受けることが時々あります。満員でご入塾をお断りする場合や、該当学年・科目の講座を開講していない場合です。
もちろん、教えて差し上げたいのはやまやまなんですが、塾というものは、「誰がどんな風に教えるか」が全てです。「システム」「規模」「教室」といった部分は、些末な部分。それらは、成績・学力を伸ばすにあたって、ほとんど関係のない部分だといっても過言ではないと思います。
だとすれば、私どもの方で「誰がどんな風に教えるか」を存じ上げている塾しか、責任をもってお薦めすることができません。
残念ながら、私どもでそのレベルまで存じ上げている塾は、ほとんど皆無でして、結局、「お薦めできる塾は分かりません」という、何とも頼りなく聞こえるお返事しかできないのが実情です。
ただ、こと「稲荷塾」に関しては、私どもの方で責任をもってお薦めすることができます。それは上述のように、稲荷先生ご本人を存じ上げているからです。私も(一応)プロの端くれ、嘘は申しません。ご興味をお持ちの方は、是非一度直接にお話をお聞きになって下さい。
稲荷塾
http://www.h7.dion.ne.jp/~inari/