iPhoneで時々VOA(The Voice of America アメリカ合衆国の国営放送)を聞いているんですが、塾に関係のありそうな話題を一つ。
US Failing its Top Science Students | USA | English
http://www.voanews.com/english/news/usa/US-Failing-its-Top-Science-Students-103143649.html
現在の米国の教育システムが、理学工学関連の才能を有する有能な学生を見落としがちだ、という話なんですが、この中で引用されているオバマ大統領のスピーチがなかなか興味深い。
9月中頃、フィラデルフィアの高校に出向き、学生達に行ったスピーチの一節です。訳している時間がないので、日本語は大意だけでご勘弁を。
以下のスピーチは、上記VOAのサイトより引用。要約・拙訳はブログ作成者によります。
President Barack Obama told high school students to study hard, even at subjects in which they don’t think they can excel.
“Even if you don’t think of yourself as a math person or a science person, you can still excel in those subjects if you’re willing to make the effort. And you may find out you have talents you never dreamed of.”
「数学や理科が苦手だと思っているかもしれないが、努力すればそれらの学力を伸ばすことは出来る」という趣旨です。
“The further you go in school, the further you go in life,” Mr. Obama said.
「学業を進めれば進めるほど、人生のレベルは高くなる(人生の深みが増す)」といったところでしょうか。宮田塾としても強く強く同意します。
そして、オバマ大統領が特に強調したのは下記の内容。
“And at a time when other countries are competing with us like never before, when students around the world in Beijing, China or Bangalore, India, are working harder than ever, and doing better than ever, your success in school is not just going to determine your success. It’s going to determine America’s success in the 21st century.”
「我々米国はかつてない他国との競争にさらされている。中国の北京で、そしてインドのバンガロールで、学生達は今まで以上に熱心に学業に励んでいるんだ。こうした時代、君達の学業における成功は、君達の個人的な成功にとどまるものではない。21世紀のアメリカという国家の成功を意味するんだ。」
これはオバマ大統領であるからこそ、説得力を持つスピーチですよね。世襲でなく、己の学業で今の地位を築き上げてきた政治家にしかできないスピーチです。ブッシュ前大統領が言うとほとんどギャグ(笑)。現在の日本の政治家にも、こういうスピーチが似合う人っていませんね。残念ながら……。
ともあれ、こうした言葉を大統領から直接かけられて感激しない高校生はいないと思います。スピーチ会場に選ばれる高校は、おそらくエリート高校でしょうしね。
私が気になるのは、ライバル視されているのが中国やインドであるという点です。日本は一体どこに?
日本の国力が衰退してゆき、取るに足りない相手になって行く(orなっている)という判断がこのスピーチの裏にはあるんじゃないでしょうか。日本がトップレベルの争いから脱落し、はるか彼方の後景に消えてゆく……。これまた残念ながら、個人的には同感であります。