今年に入っても毎日毎日授業と雑務に追われ、なかなか完全な休みが取れないんですが、無理矢理に時間を作って行ってきたライブが二つあります。
一つはパティ・スミス (Patti Smith) の来日公演。あまりの感激で、ライブの途中、何度も涙しそうに。烈烈たる感情と円熟した歌唱。表現者としての理想的な姿がそこにはあり、もう何から書いたらいいのか分からないぐらい心を動かされました。この御年66歳の「女神」の話はまた記事にしてみたいと思います。
Patti Smith – Because The Night
さて、もう一つはもっと気軽なライブ。昨日、息子と共に「こどもとたのしむ能狂言」というイベントに出かけてきました。場所は大槻能楽堂。中央区上町にある、家から歩いて行ける能楽堂です。私、ここで何度か能を拝見していますが、息子と来るのは初めてです。
狂言を見るのは久々なんですが、やっぱりライブはいいですね。囃子演奏を聴いていると、上質なジャズとの共通性を強く感じます。特に1950年代以降のフリー・ジャズ。生前のエリック・ドルフィに聴かせたら、どんな反応を示しただろう。
ま、そんな事はどうでもいいですね(笑)。今回のイベントは、子どもに狂言を親しんでもらうという趣旨なので、演目にはポピュラーな「仏師」と「附子(ぶす)」が選ばれていました。もちろん、子ども向きにアレンジなどはされていません。とても良い舞台でした。
室町時代の言葉を耳にしていると、これまた色々な思いがよぎり、あれこれと書きたいことが出てくるんですが、国語の話でもありますので、また別記事にしてみたいと思います。
一つだけ書いておくと、江戸時代の浄瑠璃よりも明快で簡潔な狂言の言葉遣いは、「古文リスニング」初級編として最適なんですよね。観劇しながら、大学入試に「古文リスニング」や「古文作文」が導入されれば、当宮田国語塾の独擅場になるのになあ、なんてアホな想像をしていたんですが、受験生には「これ以上負担を増やすな」と叱られそうです(笑)。
狂言に興味をお持ちの方には、下記教育テレビのコンテンツがいいでしょう。「附子(ぶす)」も取り上げられています。
狂言|NHK for School
http://www.nhk.or.jp/kokugo/10min_kobun/index_2012_012.html