中学入試 国語の解法・解き方 #5

「中学入試 国語の解法・解き方」シリーズ、全然書いていませんでしたね。授業で話している内容って、それで満足してしまい、なかなかブログ記事にする気がしないんですよね(言い訳)。久々に書いてみましょう。解法というより文句ですが……(笑)。

受験国語の方は、過去出題問題の指導の時期に入っており、授業準備で忙しい時期です。

中学校によって出題の傾向は結構違っており、過去問題対策は絶対にやっておかねばならない内容だと考えています。

どこの中学かはあえて申しませんが、時々困った選択型問題を出す所があります。下記のような感じです。

1.「正しい選択肢を一つ選べ」と言うものの、いずれの選択肢にも根拠がない(または非常に乏しい)。選択肢の文章をかなり拡張解釈(善意解釈)して、何とか正答を選び出さねばならない。

2.「正しい選択肢を一つ選べ」と言うものの、二つの選択肢が同等に根拠を有する。これまた選択肢の文章をかなり限定解釈して、何とか正答を選び出さねばならない。

そりゃ、私は国語指導が仕事ですし、入試問題も色々みていますから、この選択肢が解答なんだろうな、ということはすぐ分かります。しかし、しかしですよ、こうした問題を「小学6年生に」しかも「限られた時間で」解かせるのはかなり酷だと思うんですよね。

もちろん、他の問題をちゃんと解いているならば、合否には関わらない部分になりますから、生徒には正直に、「これは悪問なので解けなくてもOK、いずれかの選択肢を選べていたらいいよ」と説明しています。

しかし、自分で問題集を解いたりしていて、こうしたアドバイスが得られない場合は、(真面目な子ほど)悩んでしまうと思います。こうした問題についても、解説にはもっともらしいことが書いてあるんですが、実質的には全然役に立ちません。「選択肢アが正答だから選択肢アが正答です」みたいな同義反復が堂々と書かれていたり。確かに、「これは悪問です。ダメダメです。」なんて市販書籍には書けないでしょうけど(笑)。

私は、国語の正答には、絶対に「根拠」が必要だと思います。逆に言えば、選択肢問題は根拠を徹底的に探すことが最重要ポイント。将来有望な小学生のためにも、「根拠」のあやふやな選択肢を入試問題の正答とするのは、避けてもらいたいところです。

そうした問題が、「やっぱり国語ってフィーリングだよな」「国語なんて勉強しても成績は上がらないよ」という誤った認識の一因になっているのは間違いないと思います。