「理由・根拠を答えさせる問題→ヒントは傍線部近くにあり」
「筆者が傍線部のように考えるのはなぜか」という問題がよくあります。筆者がそう考える理由・根拠を答えさせる問題ですね。
正しい解き方は「文章の論理構造をしっかり捉えて、結論部分に対応する理由・根拠の部分を探す」ということになるんですが、これでは全然「解き方」として満足してもらえないでしょう。「答は答の書いてある部分を探しましょう」というのに等しいでわけですから。
問題は「どうやって理由・根拠の部分をさがすのか」ですね。
あくまで原則論ですが、傍線部分の直前&直後や同一段落内の文章はものすごく大きなヒントになると考えてください。それ自体が答にならずとも、大きな手がかりになることが多々あります。
論理的で分かりやすい文章は、理由と結論をしっかりリンクさせてあることが多いというのがその理由です。あまり理由と結論が離れすぎていると、論理性を感じ取りにくい文章になってしまうわけですね。
ただ、入試の場合、ある程度の悪文が好まれる、という傾向は確かにあります。あまり簡単に根拠や理由が発見されては困る、文章構造が簡単に見破られては困る、ということが原因なんでしょうが、このあたりは各中学校の考えや出題者の好みが反映されるところです。
ある中学は平気で結構離れた部分の文章を理由としてあげさせることがある一方で、ある中学は傍線部分近辺しか理由説明に使わせない、という感じです。入試過去問をしっかりチェックする意義は、こういうところにもあります。
いずれにせよ、上述したような部分が大きなヒントになることが多い、というのは事実ですので、問題を解くときに意識するとよいでしょう。
この記事を書いていて思い出しましたが、入試の過去問を研究(というと少し大げさですが)する意義については、また別の記事にしたいと思います。