琵琶湖絶対主義者

長い間都会に暮らしてきたこともあって、この年齢になると、もう繁華街にはほとんど興味がありません。そこでしか上映されていない映画を見に行くとか、ライブを見に行くとかやむを得ない事情がない限り、繁華街に出ることがありません。

コロナ感染症が広がったことや、AmazonなどのECが発達したこともあいまって、暇ができて出かける先は、郊外・田舎の方ばかり。

私がバイクや自動車で好んで出かけるのは、近場なら北摂・京都府南部・奈良県・兵庫県・滋賀県といった辺りなんですが、正直に言えば目的地はどうでもいいんです。そこに行き着くまでの「道」を楽しむことこそが目的だからです。この道のコーナーの連続具合がいいとか、曲率がいいとか、高低差が楽しいとか、路面状況が良いとか、峠を越えて見えてくる景色が素晴らしいとか、まあ、そんなことが一番大事。

観光やグルメを主目的にしている人って、一通り近場の目ぼしい場所やグルメを体験してしまうと、ツーリングやドライブに飽きてしまう人が多い気がします。経験的に。

逆に、「いい道」で、バイクなり車なりを走らせる事自体が楽しいというタイプの人は、いつまでもツーリングやドライブを楽しんでいる気がします。道って、季節や天候によってムードや走る感覚は大きく変わりますからね。同じような道を走っては、同じようなコンビニで同じような野菜ジュースを飲んで帰ってくるだけでも、私にとってはとてつもなく楽しい遊びなんですが、妻や母には何が楽しいのか全く意味不明だと思われています。息子は私の痴、いや血を引いたのか深く理解してくれますが……。

まあ、私みたいなアホな人の方が、ツーリングやドライブを長い間楽しめて幸せなんじゃないかという話。


さて、素晴らしい道は数あれど、その中でも最高位に位置するのは、やっぱり水沿いの道。とりわけ琵琶湖沿いの道は幼い頃から数えきれないほど走っていますが(父によく車で連れていって貰ったのです)、今でも胸が高鳴ります。

何だろう、風の運んでくる水の香り、うっすらと湿気を含んだ空気、木々の輝き、水のきらめき、好天に恵まれた日なんかは何もかもが美しいんです。一人でバイクに乗っていても、妻と自動車に乗っていても、「今日って人生最高の一日だな、死ぬ時は今日のことを思い出すかも」なんて毎回思ってしまいます。

単純なバカだなと思いましたね?まあ、その通りなので否定はしません(笑)。

最近は、琵琶湖一周を意味する「ビワイチ」なる語も、すっかり市民権を得ており、日曜日なんかに琵琶湖近辺を走っていると、数えきれないほどのロードレーサー(自転車)を見ます。道に自転車専用レーンが設けられると共に、各スポットに自転車を停めるところや水分・栄養補給の場ができており、滋賀県あげての応援・県おこしという感があります。

私も中学生の頃、自転車で琵琶湖を一周したことがありますが(もちろんその時は泊まりがけ)、長じてからはバイクか自動車。今までに何周したかよく分かりません。時計回りに琵琶湖を回った日は、疲れてきたら北陸自動車道・名神高速で一気にワープして帰っちゃうんでインチキですけどね。

目茶苦茶な妄想ですが、日本の人口が減り続けて47人になってしまい、各人に各都道府県が一つずつ貰えるようになったと仮定します。皆さんならどこの都道府県を所望されますか?私は絶対に滋賀県。何があっても滋賀県。殴り合いも辞さない(笑)。琵琶湖最高!琵琶湖絶対主義者です。

滋賀県民は勿論、京都府民も大阪府民も、生まれてから死ぬまで琵琶湖の水で暮らすわけですから、もっと琵琶湖を崇め讃えて欲しいなと思う次第。

って、今日はショパンの舟歌(バルカロール)の話を書こうと思っていたのに、全然そこに着地しませんでしたね。また別の機会にしよう。


最近バズっていたツイートを引用させてもらいます。いつもとまでは言いませんが、朝の琵琶湖って、本当にこんな感じの時があります。この写真、風の匂いまで感じられそう。

今年のGWのとある一日。北湖の方で一休みした際の写真です。シートを敷いてコンビニで買ったおにぎりを食べて一眠り。周りには釣客が一人いただだけでした。

メタセコイア並木もよく通るところなんですが、何時行っても爽快極まりない道です。自動車のCMにもよく使われているそうで。このあたり豪雪地帯でもあるので、冬に行ったことはないんですけれど、四季を問わず美しい。最近は観光客が大幅に増加していますので、この映像の撮影は早朝だったんでしょうか。こちらも風の匂いがしてきそうです。

メタセコイア並木 新緑も圧巻の美しさ 滋賀の絶景スポット【4K】