あけましておめでとうございます。
旧年もご理解・ご支持下さる方々のおかげで、大過なく過ごすことができました。心より感謝いたしております。本年度も塾生の学力向上のために頑張って参りたいと存じます。宜しくお願い申し上げます。
さてさて、今年2022年は寅年。虎に関する言葉をいくつか。◎は中学入試国語に出てもおかしくないので、そこら辺を意識して説明しておきますね。
「虎杖」(いたどり)
この難読語、読める人がここ数年で一気に増えたんじゃないでしょうか。コミック『呪術廻戦』の主人公の名字が「虎杖(いたどり)」なんですよね。
山のそこら中に自生しているありふれた草ですが、若い茎にある斑点が虎の毛皮に似ているところから、こんな漢字になったらしいですね。幼い頃、「ちぎって茎をかむと水分補給ができる」とサバイバル本で読んで以来、京都の田舎にある祖父祖母の家でよくちぎって噛んでいました。かなり酸っぱい(笑)。
「虎魚」(おこぜ)
何となく風貌からしてヤバそうな魚ですからね(毒もありますし)。まあ、そういう漢字を当てられるのも納得です。
昨日、アニメ版の『ジョゼと虎と魚たち』を見たんですが、乙女趣味の私には超「刺さる」映画でした。でも、タイトルを見ると「ジョゼとおこぜたち」って読みたくなるんですよね。関係ないか(笑)。
◎「虎穴(こけつ)に入らずんば虎子(こじ)を得ず」
有名な諺ですね。「何事も大きな危険を冒さなければ、大きな成果は得られない」という意味ですが、それはもちろん、虎がとてつもなく恐ろしい動物だということが前提になっています。そう考えれば、下記の表現も分かりやすいですよね。
◎「虎口(ここう)を脱する」
非常に危険な場所や状態を逃れること。
◎「苛政(かせい)は虎よりも猛(たけ)し」
過酷な政治が人々に与える害は、恐ろしい虎の害よりもはるかに上だ。この表現、案外高校生でも知らなかったりしますが、このレベルは中学入試でも出題されています。マジで。
◎「虎の尾を履(ふ)む」
大きな危険を冒す。
◎「虎視眈眈(こしたんたん)」
すきがあればつけこもうと、じっと機会をねらって形勢をうかがうさま。
ジーニアス英和辞典には、”the eye of the tiger” という表現が載っておりまして、「気迫のこもった目」と訳されています。まあ、感覚としては似ていますよね。
◎「虎の威を仮(か)る狐」
力のない者が、権力のある者の威勢を借りて威張ることのたとえ。
これホントに腹立たしいですよね。絶対に虎が出てくるまでバトルすべきだと思う。
◎「虎の子」(とらのこ)
大切にして手元から離せないでいるもの。特に金銭。虎は子どもをとても大切に養育することから来ています。
◎「虎の巻」(とらのまき)
秘伝書。転じて、あまり勉強しないでもそれなりの効果があげられる本。なかなかそんな本にはお目にかかれないですね。あったら私も欲しい(笑)。
「虎を描きて狗(いぬ)に類す」
才能のない者がすぐれた者のまねをしても、物笑いになる。
これね、イヌに似てるならまだいいですよね。同じ四足のほ乳類なんですから。
私「こんな風に人々を虎が襲う山があったんだよね。そこに孔子先生が通りかかり……」(と虎の絵を描く)
妻「それって人を襲うアメーバ?赤痢菌?」
私「ち・が・う!せめて脊椎動物と間違って!」
いつまで経っても絵がうまくなりませんが、今年も強く生きていきたいと思います。
ちなみに表題の「トラ・トラ・トラ!」は、真珠湾攻撃時の暗号。「ワレ奇襲ニ成功セリ」の意味だったとか。今年もこんな暗号は使わなくて済む世の中でありますように。