『やさしさに包まれたなら』

年末年始のお休み期間中ということで、少々のんびりと過ごしております。

夜遅くまで本を読み(これはいつもと同じですが)、朝は好きなだけ寝る。はぁ〜幸せ。先日は朝目覚めると午前8時ごろ。もう少し寝ようかなとウトウト……。その時にあれこれと夢を見ました。

理屈の上からすると、毎日夢は見ているはずですが、ほとんど覚えていません。ただ、昨日はリラックスしていたせいか、それとも長めに寝たせいか、妙にリアルな感触が心に残っていました。

バイクで山深い神社の鳥居前にいる私。どうやら林道を抜けてきたらしい。この林道めっちゃ楽しかったな〜。こっちから進入する時は神社に入って社殿の横をバイクで通っていくことになるけど、いいんかな?まあいいか。(注:ダメです)

ここ2年近く、オフロードバイクを足にしているので、しょっちゅう林道を駆け抜けているんですよね。昼なお暗き林道、木漏れ日の美しい林道、動物がひょっこり出てくる林道、何キロ走っても誰とも出会わない林道。新しい林道を見つけたいなという願望が夢にストレートに出ていますね(笑)。林道ってあんまり地図には載っていないんです。

好きなミュージシャンと何故か友だちのように話している私。なぜか松任谷由実について議論していました。別にユーミンのファンというわけでもないので、目覚めた時は意味が分かりませんでしたが、あとで意味が分かってきました。

久々に亡くなった父が夢に出てきてくれました。いっぱい話したいことはあるのに、夢に出てくるのはいつも突然で、しかも夢の中の私は、父がもうこの世にいないことに気づいていないんですよね。父も元気な頃のまま。だからごくごく普通に接している。

でも何故でしょうか、昨日の夢では、身体の具合を少し悪くしてからの父親がベッドに寝そべっていました。私はごくごく自然に父の胸の上に頭をのせ、父はまるで犬の頭を撫でるように、私の頭をぐしゃぐしゃと撫でてくれました。父の顔はあまり見ていないんですが、お互いが穏やかに笑っているのが明らかに分かる。

と、そこで目が覚めたんですが、目覚めた時、何か幸せな温かさに包まれている感覚だったんですよね。恥ずかしながら、今まで上記のような感じで父が夢に出てきてくれたときは、いつも涙が流れていたんですが、何故か昨日は穏やかな気持ちで目覚めていました。


昼からはバイクに乗って今年最後の林道巡り。お気に入りの林道をいくつかつないで走り、家から50km程度離れたコンビニで休憩。林道といっても、ハードなガレ場のある林道を走るわけではありません(そういう悪路に一人で行くのは危険なのです)。冬の木漏れ日を感じながら、舗装されている林道やフラットダートをのんびりと。

何でユーミンの話を夢でしていたのか、走りながらそのことを考えていたんですが、家に着く直前にあっと気づきました。そうだ、夢の中に出てきてくれたミュージシャン、「やさしさに包まれたなら」をカバーしていたんだった!

穏やかな林道も、音楽も、亡父も、みんな「やさしさ」の象徴だったのか!

やさしさに包まれたなら – 荒井由実(松任谷由実)

この曲、いくつかのバージョンがありますが、『魔女の宅急便』で印象的に使われているカントリー風のバージョンです。

ご存知の方も多い曲ですが、美しい詩なので私なりの解釈を。下記に引用する歌詞はすべて荒井由実作詞です。

小さい頃は神さまがいて
不思議に夢をかなえてくれた

この部分、本当に絶妙なんです。ひらがな一文字に大きな意味が込められていると私は思います。

まず「不思議『』」という部分。形容動詞の「連用形」ですから、「かなえてくれた」を修飾しています。ここが「不思議『』」だと、形容動詞の「連体形」ですから、「夢」を修飾することになります。

不思議な夢をかなえてくれた
→「私、王女様になりたい!」とか「おいら、海賊王になりたい!」という感じの荒唐無稽な夢がかなうニュアンス。

不思議に夢をかなえてくれた
→「だいすきな○○君のとなりの席になれたらいいのに」「クリスマスに○○がもらえたらいいな」といった些細な事柄が実現するニュアンス。

ひらがな一文字で歌詞のニュアンスは大きく変わります。

次に、「小さい頃『』」という部分。

「小さい頃『』」神さまがいてくれた。となると、大人になれば、神さまはもういなくなってしまう。そう予期してしまいますよね。

そうそう、神さまなんて信じていられるのは無邪気な子どもだけさ。大人になったら現実に打ちのめされるのさ……。しかし、実はここが心理的な伏線になっています。具体的には、次の部分「おとなになって『』」へと繋がってゆく。

やさしい気持で目覚めた朝は
おとなになっても 奇蹟はおこるよ

あなたの心に「やさしさ」さえあれば、「おとなになって『』」神さまは奇蹟はおこしてくれる。

いや、神さまはいないのかもしれない。でもあなたに「やさしさ」があれば、大人にだって「奇蹟はおこる」。いつだって奇蹟を起こすのは、あなたの「やさしさ」。

本当に美しい詩だと私は思います。

カーテンを開いて 静かな木洩れ陽の
やさしさに包まれたなら きっと
目にうつる全てのことは メッセージ

この部分も本当に美しいですよね。

あなたの心が「やさしさ」を湛えているならば、「目にうつる全てのこと」は「メッセージ」になりうる。

その「メッセージ」を読み解いていくことは、人生最大の妙味じゃないでしょうか。

来年も、世の中の「やさしさ」が少しでも増えてくれるといいですね。