「魑魅魍魎(ちみもうりょう)」という四字熟語があります。
日本国語大辞典精選版によると、「(「魑魅」は山林の気から生じるばけもの、「魍魎」は山川や木石の精霊) いろいろな妖怪変化。種々のばけもの。」と説明されています。
他の本によると、「魑魅(ちみ)」は山林から生ずる化け物、「魍魎(もうりょう)」は川沼の精霊、と区別する説が示されていたりもしますが、まああまり厳格に考えなくともよいでしょう。「魑」「魅」「魍」「魎」どの漢字も「自然から生まれ出る得体のしれぬ化け物」といった意味を持っている。
「いろいろな妖怪変化、種々のばけもの」が転じて、「得体のしれぬ恐ろしい人々」を指すこともあります。三省堂国語辞典の例文は「魑魅魍魎のうごめく政界」なんて例文を挙げていまして、当を得ることこの上ありません(笑)。
繁華街なんかに出かけると、たまに見かけますよね、「きょえぇ〜ぷぎゃあぁ〜」みたいな大声をあげて騒いでいる人達。ただ単にハイになっているのか、何か妙なクスリをやっているのか分かりませんが、私と妻はそういう妙な人を見かける度に、「魑魅魍魎が跋扈しているね」「うん、いるね」と話しています(笑)。
そんなことはどうでもよかったですね。この四字熟語の書き方を覚えたい人のために記事を書き出したのでした。具体的には、漢検一級を目指している人とか、カッコイイ四字熟語を書いてモテたい人のために書いています。
まず着目すべきは部首ですね。難しい熟語って、部首が共通している漢字から構成されていることがとても多いんですが、この四字熟語もまさにそうです。「魑」「魅」「魍」「魎」どの漢字も、「鬼」から構成されています。この「鬼」という部首は、原則として「死者の霊」を表しますので、イメージ的にも覚えやすいですよね。
ということで、本当に覚えるべき部分は「部首以外」の部分だけです。部首を取り除いて中身を出してみると、「离」「未」「罔」「兩」となりますが、漢字好きな人なら、どれも比較的覚えやすい漢字ではないかと思います。
「离」は「離(リ)」の左側
「未」は「未来」の「未」
「罔」は「網(モウ)」の右側
「兩」は「両」の旧字体
書き方は「リミモウリョウ」とでも覚えておいて、「鬼」四つにそれらを書き加えていけば、あら不思議、「魑魅魍魎」という四字熟語がスラスラ書けます。
何?そんな書き取り問題、入試に出るはずがないって?そうでしょうね。でもいいんです。この夏、「魑魅魍魎」とスラスラ書いて、女の子達・男の子達の注目をひとりじめ!君もモテモテ間違いなし!というのがこの記事の趣旨ですので。
書けるようになったけど、異性からもてない?それは当塾の関知するところではありません。悪しからずご諒承ください。