強き者良し、弱き者更に良し。 合格者へ・不合格者へ

宮田国語塾の方では、今年も多くの合格報告をいただいております。灘中学、洛星中学、同志社中学、東大寺学園中学、西大和学園中学、帝塚山中学、大阪星光学院中学などなど。

見事に合格された生徒さんおよび保護者様には、心よりお祝い申し上げます。いつも申し上げているように、合格は何といっても生徒さんとご家族の努力の賜物。当塾がそのお手伝いをして、少しでもお役に立てていたならば、これに勝る喜びはございません。

大学入試センター試験の方も、9割以上得点など好成績の報告をいただいておりまして、二次試験で首尾よく合格されることを心から祈っております。

まだ集計しきれていない部分がございますので、合格実績として正式に発表するのはもう少し先になるかと存じます。


さて、ここからは塾ブログとして得策ではないのかもしれませんが、あえて書いておこうと思う部分。それは不合格の憂き目を見た生徒さんについてのお話です。

生徒さんの多くが第一志望や第二志望の学校に合格されているのは事実ですが、その反面、合格できなかった生徒さんがいるのもまた事実です。

私としては、生徒さんの志望校の過去入試問題を利用して、その学校の求める答案・解答が作成できるように徹底的にトレーニングしてもらい、(大げさに言えば)その学校の求める生徒像にできる限り近づいてもらうのが仕事と心得ておりまして、入試直前期はそのことばかり考えている状態になっています。

そして有り難いことに、そのトレーニングによく付いてきてくれて、私から見ても「よし、これなら合格ほぼ間違いなし!」という状態になってくれる生徒さんは多いんですよね。実際、直前模試でもA判定、過去問題を解いてもらっても余裕で合格答案、といった感じです。

しかし、好事魔多し。そうした生徒さんが不合格の憂き目を見ることがあります。「国語は合格者平均を大幅に超えていたものの、意外なことに得意なはずの算数で大失点」とか「国語算数いずれも実力発揮できず」といったパターンです。

生徒さん本人も、保護者様も本当に青天の霹靂の思いでしょう。もちろん当塾としても、まったく同じ思いです。そうした辛いお話をわざわざ私共にしてくださる保護者の方々には、頭が下がるとともに、深い感謝の念を覚えます。

「もしもう一度入試を受けられるなら、絶対に合格するだろうに」そんな思いが、保護者様も生徒本人も拭えないだろうと思います。私としても、「武運拙く」という思いが心を去りません。本当に「運だけ」の問題であって、決して実力の問題ではないという思いです。

その一方で、私はいつもこう思います。中学入試は単なる一つの通過点にすぎない。合格した人も、不合格だった人も、ここからが本当のスタート。慢心せず、卑下せず、着実に堂々と勉強の道を歩んでほしい。今までしてきた努力は決して無駄にはならない、不合格という機会を転じて福とし、大学入試の場面で、社会に出る場面で、大きな花を開かせてほしいと。


私が通っていた大学には相撲部がありまして、私の所属していたクラブと筋トレ用品を共有していました。そんな縁で、彼らの部員勧誘タテカン(「立て看板」の略称‐最近すごく規制がうるさくなってきたようですが)をよく見ていました。

そこにあったキャッチフレーズを今でもよく覚えています。

「強き者良し。弱き者更に良し。」

膂力のある人が相撲でさらに心身を鍛えようとするのは素晴らしい。でも、体力に劣るものが相撲で己の力を伸ばそうとするのはさらに尊い、という意味なのでしょう。相撲部の勧誘文句ですが、それにとどまらない深みを持った素晴らしい言葉だと私は思います。

当塾風にアレンジすれば、「合格者良し、不合格者更に良し。」というところでしょうか。入試で成功した人にも、今回は残念だった人にも、心からのエールを送って終わりにしたいと思います。

追記:調べてみると、このフレーズは今も相撲部のモットーになっているようですね。いいね!

強き者良し、弱き者更に良し。京大・相撲部物語。 | 京都大学のリアルを紹介 ザッツ・京大